2011年版中小企業白書から
- 中小企業は、企業数の99.7%、雇用の約7割を占めている。中小企業は、多くの付加価値を生み出し、サプライチェーンの中核を担うなど、我が国の産業の基盤を支え、生活必需品の供給者や地域コミュニティの中心として、地域の消費や社会を支えている。震災でも、こうした中小企業の重要性が再認識された。
- 震災により、国内需要の収縮やグローバル競争の激化等の構造的課題が深刻化する中、展望が開けない中小企業も存在することから、中小企業の事業引継ぎ、事業再生、地域密着型金融等により、経済社会を支える中小企業の良さを守り、今後の経済成長につなげていく必要がある。
こう語っているように、中小企業が大企業をも地域をも支えていると言って過言ではありません。
今日の朝日新聞に「教えて! 消費税 / 法人税はなぜ減税されるの?」という湯地正裕氏の記事がありました。
そこには、「消費税は大企業には都合のいい税であるが、中小企業はそうではない。大企業からコスト削減等の理由で値下げを迫られ、立場が弱い下請け企業は増税分をかぶらされることになる。法人税は赤字なら払わなくていいが、消費税は業者から預かっているのだから支払えと税務署から迫られ、赤字の中小企業や自営業者は、借金までして支払わされるのだ」と、中小企業や下請けの厳しい実態が掲載されています。
日本の地域を支える大多数の中小企業、自営業者の声が、なぜもっとマスコミが強く訴えないのか。雇用の7割を占めている所の声こそ、大きく報道すべきです。テレビや新聞各社の「消費税やむなし」の大キャンペーンの陰で、本当のことが薄められている。そのために、一部の大企業だけの優遇となる「消費税2倍案」が本当に実施されていいのか、国民も真剣に考えるべきではないでしょうか。
今ですら、国に支払われる税の滞納の半分が消費税だということを国税庁が発表しています。
消費税を上げたら税収が増えるか?
(注)財務省資料
上の図を見ても、法人税はH16年からの好景気であってもそれに見合った税収となりませんでした。ただ単にグローバル化への対応等といって法人税を下げるのはどうなのか。
消費税が3%であった1996年に90.3兆円あった税収が、5%になってからどんどん下がり、今では76.2兆円であるというデータを見ても、10%と今の倍になったら、どんなに景気が冷え込み、社会全体が立ちいかなくなるか、誰もが想像に易いことです。
日本の中小企業を守ることこそ、日本の経済が好転する好策ではないでしょうか。