9月26日に平塚市民病院将来構想(案)が記者発表されました。ところが、このことは10月1日の「広報ひらつか」で市民に知らせ、即その日からパブリックコメントの募集が始まり、30日間で締め切るというスピードです。
一般市民にとって、市民病院の将来のこととなれば大きな関心事なのに、内容については市役所・公民館・市民病院・市のホームページでしか見られません。
平塚地域社会保障推進協議会(医療・年金・介護・福祉などの社会保障制度の改善をめざし、住民の暮らしを守るために平塚地域で活動している団体)では、市民病院の将来構想を多くの市民に知ってもらい、みんなで考えるきっかけにしようと学習会が行われました。
10月28日、午後6時から中央公民館で、市民病院事務局長・総務課長はじめ・総務課・医事課・改築推進室の計5人の職員の方に出席していただき、説明と意見交換が行われ渡辺議員と私も参加してきました。
市民病院将来構想(案)の一部をご紹介します。
【医療面】
★ 現行の理念や方針を踏まえ、市民の期待に応えられる「新市民病院」としてのコンセプト(主張)として、以下の項目が掲げられました。
- 24時間いつでも受け付け、受け入れる救急医療
- わかりやすく、かかりやすい高度な専門医療
- 患者サービスの向上
- 地域医療機関との連携
- 病院経営の健全性の向上
★そのコンセプトに基づいた診療機能として
- 救急医療センターを設置(H25年度供用開始)
- がん診療センター等臓器別・疾患別のセンター化を図る。(「地域がん診療連携拠点病院」を目指す)
- 小児・周産期医療における地域の中心的な役割を担う(安心して子供を産み育てることができる医療環境を整える)
- 日帰り手術・短期入院の実施(患者サービスの向上として、日常生活に大きな影響を与えず手術が受けられる。仕事で休みが取りにくい・乳幼児がいるという患者さんに適し、入院費用も軽減される)
- 災害医療拠点機能の充実(大規模災害時にも機能する施設に。十分な耐震性、ライフラインの確保、患者収容のため医療ガス配管などを整え、備蓄医薬品等のスペースの確保)
【経営面】
★ 地方公営企業法の一部適用から全部適用に移行する。(経営責任の所在を明らかにする。H22年度全部適用に移行)
★ 全部適用と同時に、独立行政法人化や社会医療法人化などの研究・検討も進め、必要があれば移行する。(H22年度~23年度に研究、24年度に検討、25年度必要があれば移行)
参加者からは意見や質問が多数出されました。
- 市民病院は市民にとってなくてはならない病院である。この将来構想は国が示している「公立病院改革ガイドライン」によって、2年間の経営いかんによっては法人化、指定管理者、民間移譲への検討もあり得るというもの。もっと市民病院は積極的に自治会など通して市民に知らせるべきでは。
- パブコメの期間があまりに急で期間も短い。資料にしたアンケートもわずかな数であり、市民の声をもっと反映するよう考えてほしい。
- 「市民病院を知人に紹介したいか」というアンケートで「したい」という人が少ないことの検証がされたのか。将来構想案にはそうした検証がまず必要ではないか。
- 入院患者が、「まだ治ってないのに短期で退院させられた」という苦情が多い。それは国が長く入院すれば病院が持ち出しになるようにしているのであり、もっと市民に「なぜそうなっているのか」を説明すべきだ。
- 新棟建設の費用107億円のうち起債が95億円・・。厳しいですね。
など、多くの意見や質問が出され、平塚市だけでなく、全国の自治体病院が国が示した「ガイドライン」によって危機的状況に置かれていることを認識しました。