私は、早朝配達や駅頭宣伝など毎朝4時台からバタバタしていますが、1週間の中で土曜日の朝だけは心からゆったりと出来るひと時なのです。
そして何が楽しみかといえば、コーヒーを飲みながら朝4時台からのNHKテレビをじっと見ること。犬、猫、小鳥の動画や四季の映像とともに「こちらはJOAK TV 東京テレビジョン・・」のアナウンスに始まり、「落語」「小さな旅」「あの人に会いたい」ここまでが私の至福のひとときなのです。
(相撲があるときは、もっと早くに起きて見る体制!(笑))
今日の「あの人に会いたい」は、シュールレアリズム絵画を日本に紹介したという福沢一郎氏(洋画家)でした。
私は、高校生の時にダリの「燃えるキリン」の絵を見てからシュールレアリズムの絵画に興味を持ったので、特に関心を持ってみました。
福沢氏は人間を描き、人間を描き切るところに芸術の高さを求めたようです。しかし、第二次世界大戦が勃発し、治安維持法によって「シュールレアリズムの裏には共産主義がある」という理由で検挙され、同じ画家の中でも戦争高揚の絵を描く人は恵まれた条件で絵画を続けられたが、自分は戦後も厳しい画家生活だったと振り返っていました。
この番組は、大概は最近亡くなった方を思い出す形が多いのです。しかし、この福沢氏は1992年(平成4年)に亡くなられており、すでに25年も前に亡くなった人。「なんで今?」と思った瞬間、わかったのです。
今「共謀罪」=「テロ等組織犯罪準備罪」が国会で審議されている。かつて、シュールレアリズムの絵画ですら共産主義とされて捕まった時代があるということ。NHKのささやかな抵抗を見た思いでした。