私が生まれた新潟県松之山町では、当時真冬になると雪が5mほどになるのは当たり前でした。ところが、最近また大雪に見舞われることがあり、今年も、12月のうちに1mにもなっていると言いますから、温暖化といいながらも寒波の猛威は相変わらずだな・・と思うこのごろです。
冬の寒波がくると、先が見えないほど雪が降り、一晩に1m以上も積もります。農協の組合長だった父が出勤するにも、私たちが学校に行くにも、まず道を踏んで作らなくては出られません。
「日本の原風景」というホームページで佐藤明彦さんが松之山の風景を掲載しています。どうぞ、ご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/matunoyma_sato/archives/2012-12.html
玄関の引き戸を開けるにも、積もった雪の抵抗で一度や二度の踏ん張りでは開きません。男の力で数回踏ん張ってようやく開けると、目の高さまで雪があります。その目の前の雪を、木でできたシャベル(コウスキと言っていたような・・・)で両脇に蹴散らして低くしてから踏み固めて行くのです。
前日踏み固めた雪の上に積もるのですが、道があったところもそうでない所も区別がつかず、その日踏み固めた道が新たな道になります。大の男の人でもこの道付けは重労働で、返ってくると汗びっしょりで凍てつく朝でも、頭から湯気が出ていました。
大雪で大変なのは、道だけではありません。屋根の雪が重くなると、家のあちこちの戸が開かなくなったり、きしんだり、屋根から滑り落ちる雪の下になって死ぬこともありますから、どんな大雪の日でも、待ったなしで屋根の上に登って、雪を落とさなくてはなりません。家の近くの崖に落とすため、トヨを組んで掘った雪を流すルートを作り、それから屋根に上って雪を掘る作業。
こうして、「寒波」がくると家族全員が必死に雪との闘いとなり、日が短い冬の「寒波到来」は本当に辛いものでした。兄夫婦に子供が出来た時、母がお守りをしながら、孫がぐずると「ほ~ら!悪い子になると寒波がくるぞー!」と言ったものです。私たちも一緒になって「ほんとだ!寒波が来たら怖いぞー!良い子になろうねっ。 ねっ!」と冗談と本気の混じった「おどし」をしたものでした。
衆議院選挙で、自公政権が復活。4年ほど前自公政権の、改憲、増税に多くの国民が危機感を持って政権交代を果たしたはずが、2度目の選挙でまた元に戻してしまった・・・。これから改憲論、TPP、基地問題・・・、これらをどう食い止めるか、寒波以上の逆風です。