7日(土)、「湘南まち研」では「介護保険制度の根本を考える」と題して、第14回学習会を開催しました。講師は神奈川県社会保障推進協議会事務局長の根本隆氏です。
国民健康保険と介護保険の仕組みの違いなども改めて学びました。
国保は生まれたすぐの子どもから保険税(料)を払うが、誰でも医療を受けたいときに受けることができる。しかし、介護保険の場合は、40歳から保険料を払い続けるが、受けたい場合は「審査」を受ける。保険料を払っている人は全体で7600万人、そのうち利用している人は670万人。つまり、ほとんどの人が利用しないで死ぬという、ショッキングな話だがうなづける。
国民健康保険法、国民年金法、生活保護法は「憲法25条」に基づく制度(どんどん改悪されているが)。しかし介護保険法には「憲法25条」は出てこない。「これらのものが尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう(略)国民の共同連帯の理念に基づき・・・」とある。
2000年に「家族介護から社会で支える介護へ」(介護の社会化)をスローガンに始まった介護保険。開始当時、平塚市の介護保険料の基準額は月2850円でした。24年たった今、5836円と実に2倍以上になりました。それだけ払っていても本人の年金だけでは入所できず、家族からいくら払ってもらえるかが大きな問題となっている現実・・。
財政難を理由に国の負担を上げない。そのために介護サービス量が増えれば増えるほど、保険料が高くなり、それ以上高くできないからと今度は要支援1・2を総合事業(地域の支えあい)に移行させた。しかし、これは手始めであり、本命は要介護1・2を対象から外すことにあるという。
財政難と言いながら、2年前には5兆円台だった防衛予算は今年度は約8兆円。予算がないのではないことは明瞭。
安い賃金で働かされる介護労働者はどんどん減ってゆき、保険料を払っても高くて入れない老人ホーム。介護保険制度の崩壊を防ぐため、今こそ介護保険の在り方を考えなくてはならない時だと感じた勉強会でした。