子供の安心して学ぶ権利と「学校安全法」
28日に横浜市で行なわれる「学校災害から子供を守る全国集会」の総会を前に、早稲田大学の喜多明人教授による 「学校安全基準の立法化に関する研究報告」が行なわれました。
全国から学校災害にあった子供の親、親族が多数参加して、緊迫した報告がなされ、子供の人権を守り、安心して学べる環境の確保が急がれることを実感しました。
校内や登下校中の事件や事故を防ぐため、教育学者らが今年春に作成した「学校安全法」の要綱案について、早く法制化を進め、国による安全基準を策定するよう強く求めています。
この要綱案には、幼稚園・小中高校が対象として、26項目の最低限守らなくてはいけない学校環境の基準作りを国に義務付け、学校災害の原因究明の責任も国にあるとするものです。
学校任せでは限界がある
喜多教授は、大阪教育大付属池田小学校での事件や奈良の女児誘拐殺害事件など、子供の安全が繰り返し脅かされているのに、国は危険な環境を放置し学校現場に任せたままにしている。
国の責任を明確にした法律の制定が必要であり、それには人の配置が何より重要となっているとしています。
このシンポには、池田小事件の被害者の父、サッカー試合での落雷事故による被害者の母、熱中症による死亡事故被害者の父、安全確保に努力している学校教師の現場からの報告などがあり、さらに会場からも保育園で子供をなくした親、大学の登山研修で子供をなくした親、岩手からは融雪事故(雪の下敷きになった)で子供をなくした親などが次々報告されました。
学校現場では、生徒への多様なかかわりを必要とされ先生方は目いっぱい頑張っています。しかし、「生徒全員の安全」に対して絶対ということは言えないのが現状です。
本当にいま、学校の安全が強く求められ、将来を担う子供たちに国としての責任が問われています。