9月末からあちこちの田んぼの稲刈りが始まっています。私は、あたり一面黄金色になるこの時期が大好きで、さらに重くしなった稲穂を見る農家の方々の気持ちを思うと自分までわくわくしてくるのです。
今年は全国で台風の被害に見舞われ、亡くなった方や怪我、水害による家の崩壊・浸水、作物への大打撃が報告されています。幸いこの地域は台風による影響もほとんどなくどの田んぼも稲が倒れることもありませんでした。
今日はよく晴れた秋空のもと、入野・寺田縄でも、コンバインで稲刈りをしているところが見られました。
お話しを伺うと、コンバインは年に1度しか使わないので、1軒で買っていたら出費が大変。そこで10軒くらいで組になって購入し、毎年利用するときに10aあたり3万円くらいの使用料を払いコンバインで稲刈りをしてもらうのだそうです。今刈っている田んぼは20aくらいなので6~7万円ほどだという事でした。
答えてくださった方は【コンバインから落ちた穂を拾ったり、邪魔になるわらをどかしたりと忙しい中説明してくださいました。】その組の人で、今日は「委託」と言う形でこの農家の稲を刈っているのだそうです。話しをしながらも手は片時も休めません。コンバインはどんどん進み、モミだけが機械の中にたまり、わらは束になって紐で縛られて次々と田んぼに落とされてゆきます。
機械にモミがいっぱいになると「ピ・ピ・ピ」と音が鳴り、そばに置いているトラックにモミを流し入れます。そして田んぼをぐるぐる回りながら、何十分もしないうちに20aの稲が刈り終わってしまいました。
確かに便利。だけど時間をお金で買う訳ですから、何とも複雑です。あっという間に刈り終えたけど、あっという間に7万円が出てしまう。農家の方はこれだけの田んぼではないわけですから・・・。日本の農業、食料は危機を迎えています。農業では食べていけないと言う声を、真剣に聞いて早く対策を立てないといけないときです。
今年は秋の収穫時期というのに、新米の値段が随分安いと思いませんか?昨年が不作だったのを利用して、政府は7~8年も前の超古米を安い値段で大放出したために、例年なら実りの秋には昨年の米がなくなるはずなのにあまってしまい、新米は大暴落しているといいます。
7~8年も前の米が食べられるの?と思いますよね。ところが、古い米を新米のように見せる食品添加物「炊飯改良剤」が広く出回っていて、スーパーなどでブレンド米として並べたり、外食産業で使われているのだそうです。
このことは、9月26日号の「赤旗日曜版」に大きく報道されました。今年の米価についてある農協の幹部も「仮渡し金が、こんなに安くなってしまい、農家になんと説明していいか」と途方にくれていたと言います。日本の主食である米作りがしっかり保障される農業政策が求められています。