今の菅政権の動きを憂いているのは、きっと私だけではないと思います。いま、本当にTPPに参加してしまっていいのか、こんな大事な問題を、支持率30パーセント台の菅内閣に判断をまかせていいのかと思うのです。民主党内からも反対の声が出ている「完全自由化」です。
これを必死になって進めようとしているのは、一部の輸出大企業です。国の経済に大きな影響を持つ輸出産業は、もちろん大事ですが、そのために国民の食糧が外国から自由に入ってくるのを野放しにしていいのか、これは、日本の在り方が問われる大問題であると思います。
消費者は、「もっと安い商品が店頭に並べばいい」と思うかもしれませんが、そんなたやすい問題ではありません。外国に日本人の食糧を牛耳られることになりかねないからです。
この図表は、農水省の資料です。すべての品目が関税ゼロの自由化で、世界に打って出た時、最終的に勝つのは食糧を持っている国です。
日本がどういう位置にあるか見てください。世界の先進国は、車や機械製品だけでなく、農産物もしっかり国民が食する以上のものを生産しているのです。
いま日本がしなくてはならないのは、国として農業に重点を置き、農地拡大と農業者の確保をすることです。地球温暖化を食い止めようと言いつつ、グローバル化・関税なしの自由貿易でどんどん開発し、人材まで世界に動かすのは、まったくもっておかしいと思いませんか!