今日夕方、会議に向かう車の中で、野田首相の大飯原発再稼働宣言の「記者会見」を聞きました。
(大飯発電所のホームページから)
その内容は、
「原発を止めては日本の社会は立ち行かなくなる。関西電力大飯原発3、4号機の再稼働は、国民の生活を守るために必要だ。」
「福島を襲ったような地震・津波が起こっても、事故を防止できる対策と体制は整っている。万が一、全ての電源が失われるような事態でも、炉心損傷に至らないと確認をされている。これは、1年以上の時間をかけ、専門家による40回以上にわたる公開の議論を通じて得られた知見を慎重には慎重を重ねて積み上げ、安全性を確認した結果だ。」
「もちろん、安全基準に、絶対安心というものはない。常に見直していかなければならない。」
と述べながら国民・関係自治体の理解を求めるものでした。
「国民生活を守るには再稼働しかない。これが私の判断だ。」と力説した総理の甘さにサワ~ッと寒気を覚えました。
「夏場限定の再稼働では、国民の生活は守れない」と付けくわえた言葉に、さらに大きな裏が見えた思いです。
国会事故調査委員会の証言を活かせ!
●「訓練では発電所からの緊急通報を受けて30分後に政府は緊急事態宣言を出すことになっていた。」「しかし、今回は2時間半経過していた。県に連絡が届いたのはその1時間後だった」(福島県佐藤雄平知事)
事故が起こったら「訓練」や「専門家による40回以上の議論の積み上げ」もその通りにはいかないものであること。
●「初期の段階で、原子力安全・保安院で原子力の中身を説明できる人はいなかった。」(菅元総理)
●「オフサイトセンター(緊急事態応急対応拠点施設)には、現地対策本部長は渋滞で12日の未明に到着。ほかの関係者も集まれず機能を果たせる状況ではなかった」(菅元総理)
●「最悪の場合は首都圏を含む3000万人の避難が必要になり、国家の機能が崩壊しかねなかった。最も安全なのは原発に依存しないことだ」(菅元総理)
実際に日本の最大事故の現場で翻弄され、批判の中で退陣を余儀なくされた菅元総理が自ら語ったこの言葉は非常に重い。それを、「安全は確認済みだ」などとやすやす言ってほしくない。国民の命と健康に害を与え、生物や自然界を汚し、世界に多大な迷惑をかける大問題を、「地元の皆さんのご協力」で済まされることではない。
まして、「原子力の中身を説明できる人はいなかった」といわれている保安院に代わる専門組織もない上に、「絶対安心というものはない」という野田総理・・・。もう、稼働できる条件はないじゃないですか?