平塚市の市営住宅は、H20年4月現在1585戸、入居者数約3300人となっています。年々入居者の高齢化が進んでいる現状は深刻であり、景気低迷の中、ますます公営住宅の目的と、果たすべき役割は大きくなっています。そんな中、平塚市では「市営住宅の指定管理者制度導入」を来年10月から始めようとしています。
指定管理者制度とは
公的施設の管理運営を民間事業者に任せ、公的経費削減を図っていく手法であり、H15年の地方自治法の改正によって今まで管理委託していた施設はこの指定管理者制度に移行することになりました。
さらに、今自治体が管理運営している施設に関しても、その導入の方向性を検討し、随時移行するように進められているのです。
今回、平塚市は市営住宅を指定管理者制度に移行した場合の効果として
●入居者へのサービス向上
修繕への対応がより迅速に対応できる。24時間365日で緊急対応が可能になる。
●家賃滞納対策
指定管理者が頻繁に滞納世帯に出向いていき、滞納状況の把握や情報収集をして、悪質滞納者等への訴訟事務の基礎資料の充実が図られる。
●予算の削減
これを実施することで、H20年度実績の約10~15%(約1200万円)の経費削減が可能となる。
としています。
もともと、予算がないということを理由に、入居者からの切実な要望に対しても、何年も引き延ばしてきた市営住宅の修繕です。指定管理者に任せたからと言って、ふんだんに修繕費が使えるわけでもなく、24時間365日要望を受けて、それが叶うのか大きな疑問です。
今後さらに住宅需要は深刻化し、高齢化と低所得化のなか、家賃の滞納者対策が大きな目的といえると思います。市民の緊迫した実情を自ら把握することをやめて、面倒なことは民間事業者に任せて、情報を受けて悪質だとわかったら「訴訟」の手続きをしていくという流れが見えてきます。
個人情報や公平性といった部分は市が守る。あとはノウハウを活かせる事業者にお願いしていく。これが効率的な行政運営だというのが国の考えです。これが本当に心の通う行政なのか、住民の福祉の向上を目的とした自治体職員のあるべき姿なのか・・。
もう一つ、大きな問題点は
いままで、130万円以下、50万円以下の小規模修繕は地元事業者に任せられたのに、今後はその指定管理者が全部請け負うことになり、1585戸の修繕は地元事業者には回らなくなってしまうのです。
またしても、地元事業者の営業を無視したやり方に拍車をかけようというものです。こうした観点からも、今回の市営住宅の指定管理者制度導入は大変な問題であり、私たち共産党議員団は反対です。みなさん、どう思われますか!