9月21日、障害者就労支援センター「サンシティ・ひらつか」主催、平塚市手をつなぐ育成会が共催した研修会「知的障がいのある人と政治」に参加してきました。
講師は毎日新聞夕刊編集部長 野沢和弘さんでした。野沢さんには自閉症の息子さんが居られ、千葉県で「障害者差別禁止条例」を全国で初めて作るために翻弄されたと言います。
その野沢さんのお話の中で、なるほどと思ったことを書いてみたいと思います。「障害者」といっても、どちらが障害者かなんてあまり普段考えませんよね。そこを突然突かれた感じでした。
手話通訳の方は聴覚障害の方のために、健常者との橋渡しをしてくれる人……と思ってしまいます。しかし、たまたま聴覚障害の方々の集会に参加すると、その健常者のために手話通訳の方が必要になるのです。
視覚障害の方が大多数なら、電気はできるだけ消す。「私たちには明かりは意味がないから」こんなことでお金を使うのは無駄なこと。そこで目が見える人が「こんなに暗かったら生活できないよ、もっと明るくしてよ」と言ったら「それは一部の人の問題。そんなのはわがままだ」と言ってやる。
その通り!今まさにそう言われて障がい者の要望が通らず我慢させられているのだから。どちらが障害かは占める割合によるということを具体的に知らされました。
講義の後、影の司会者の進行によりパネラーが前に出て(障害者の方3名、講師、グループホームの施設長、自閉症会「平塚やまびこ会」、平塚の市会議員の計7名)による討論が行われました。
参加した障がい者の3人は「手をつなぐ」の雑誌5月号に掲載された座談会に出席された人たちとのこと。そこにご一緒した江口議員もパネラーで参加しました。
そこで、障害者の方々は「政治」「議員」についてどんなイメージを持っているかということから始まりました。「選挙ってよく言うけど、やっても意味がないと思う。何をしてくれるのかわからない。誰がやっても同じ」という意見。
もう一人は「政治って何だろう。みんなが施設から出て暮らせるようにするには……。書類はめくるが現実をもっと見てほしい。現実を見ないとわからない。(目の前のペットボトルに触ってみながら)熱いか冷たいか触ってみなければわからないです」。
もう一人は「自分たちに政治は遠い存在。わかりにくい。選挙に行ったことないと思う。議員は金持ちのイメージで、給料高いのかなぁ・・・くらい。 『チェンジ』というキムタクのテレビを見てあんなのかなと思った。あれは身近に感じた」と、とても率直に語ってくれました。
さらに突っ込んだ話になるとすごい!
「決まったことが分からない。どこまで進んだのか言ってほしい。総理が辞めた。何をやってきたんだろう、何やったかわからないまま辞めるなんておかしいと思った。」
「市長は金がないばっかり言っている。市長は何をやってくれるのか、どんどん触れ合うことが大切。市会議員は駅でぺこぺこ頭下げて立っているだけ」と厳しい意見に、影の司会者がまたそれをあおる。
施設長さんから「政治は縁遠い感じがするが、人との出会いが原動力になっていると思う。議員とのかかわりを持つことで政治が身近になっていく」
野沢さんからも「目の前に100万円あったとする、何に使おうかとなったとき、誰に任せられるかなんだと思う。」「政治をどう利用するか、利用しない手はない。支援者、当事者、政治家の連携が大切」とも話されました。
障がいを持つ子の母親は「企画する人と関係者とのつながりを作ることは大きい。出会いの場に親ももっと出ていかなくては……。」と語りました。
江口議員からは「福祉施設のパンフに『宗教団体 政治団体はお断り』とあった。福祉に政治は切れないはずなのにおかしい。議員をもっと活用してほしい」と。
そして、「障害者は一番意思表示ができないのに、一番政治を必要としている人。逆マニフェスト宣言というのがある。市民が『これをやってほしい』と言っていくこと。市議会に傍聴に行き、市長や市議に話を持っていくことが大切だ」と締めくくられました。
会場には、私のほかに小田原、二宮からも議員が参加し、会場の議員からも意見をと誘い水をいただき、私も「こうして自分たちの問題を議員と膝つき合わせて語るということが本当に大切」ということを一言言わせていただきました。今回は、議員に対する指摘に「やられた~!よーし、がんばるぞ」と心地よい痛みをもらってきました。