下の記事は1月17日の朝日新聞の記事です。(アドレスをクリックしてご覧ください)
生活保護「なめんな」、上着にプリント 小田原市職員ら
http://www.asahi.com/articles/ASK1K551JK1KULOB026.html
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この問題が出てから、多くの声が聴かれます。「ひどい」「あきれた」「許せない」「人権を守ろうとする意識が高まった結果だと思う。問題はこれからだ。」等々・・。
市長は「配慮を欠いた不適切な表現」というお詫びの言葉。しかし、いくつかの新聞記事やテレビの放送、ネットでも、なぜそういうジャンパーを作らなくてはいけないような状況だったかという市職員の辛い思いや生活保護受給者の不正へ批判が強調されて、「いけないことをした」という意識から話が逸(そ)らされている気がしてなりません。
今日の朝のニュースでも「生活保護不正受給者の数が昨年に比べ・・。」とーー。
「不正受給」は「隠れて収入を得ている」と思われがちですが、「不正受給」には、職員が把握すべき「障がい者手当」の収入を引かずにいたために、障がい者はよく理解しないまま両方を受けていたケースもあり、あとから「返還」を求められ月々3万円も引かれて生活できないというケースもありました。それらを一緒に「不正受給」とカウントされて、厳しい返還を求められている実態は「どっちが不正なのか」というケースもあります。そうした手違いがないように数か月に1回は受給状況のチェックをするよう求めていますが、今なお長期になった重複受給の返還を求めるケースが出ています。
生保の窓口には、明日の生活の目途もたたない人が来るのです。人の死活問題に対応する現場です。これには職員研修はもちろんですが、受給者の数に見合った人員配置が何より重要です。不正受給は許せません。だからこそ、十分な職員配置でチェックをきっちりすればいいのです。
職員1人1人が基準以上の仕事を受け持たされ、本来やるべき重複収入や生活状況の把握ができないまま月日がたち、後になって少ない保護費からとんでもない額の返還を求められるという悪循環が起きています。
色んな問題が出てきます。しかしそこには必ず市民の目があり、どちらが正しいか判断されるはずです。今回の小田原市の一部の対応が厳しい批判にさらされたのも、その結果だと思います。市職員には常に冷静な対応をお願いしたいと思います。
市役所ホールに生けられていた花です。