松本とし子

まつもと 敏こ
日本共産党平塚市議会議員
活動ファイル • 議会の取り組み

市立病院への一般会計繰入について

2017年12月10日

市役所の完成に伴い各部署の配置が変更しました。慣れるまで大変ですが、真ん中にある受付が、パッとわかりやすく、すぐ聞けるので助かりますね。

私の気になる「花」の場所も変わりました。

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一昨日、私の質問を終えました。質問は市民病院運営についてと、国民健康保険税における子育て世帯への負担軽減についての2つでした。

今回私は、平塚市の市民病院に対する態度に、なにか圧力にも似たもの(?)を感じざるを得ませんでした。皆さんの感想もお聞きしたいと思います。

平塚市民病院は、数年前、南棟に耐震不足が判明し、急きょ建て替えをすることになりました。10年来赤字が続き、内部留保もどんどん減ってきた中での建て替えというピンチ。しかも院内のレントゲン等の器械も長年買い替えてなく、医師も苦労されてきたため、建て替えを機に器材も入れ替えることになった。これについては、議会でも意見が分かれた部分ですが、私たち会派はやむを得ないことと言う判断です。それよりもこうなる以前に、なぜ10年間も赤字が続いているのか、原因を明らかにしないままきてしまった点で、議会にも責任があると思っています。

さらに追い打ちをかける様に平成26年度から消費税が8%に。病院経営にとって「消費税」ほど経営を圧迫するものはありません。国は消費税分は診療単価に入れて計算していると言いますが、毎回マイナス改定となっています。公立病院は赤字か黒字かは、数百万円の単位で一喜一憂するほど切実です。ところが、3%消費税が上がったことで平塚市民病院は1億円も余分に持ち出しになりました。

地域で不足している医療、小児・周産期医療など不採算部門や高度の医療が必要な患者に対し、自治体が責任を持って住民の命と健康を守る。これが自治体病院の使命です。そのために、市の一般会計から「負担金」として繰入ることが、地方公営企業法第17条の2で定められています。

しかし、平塚市はH11年度に「建設改良費」は企業努力で運営することとして減額され、H15年度からは「10億円を基準とする」とされ、現在に至っています。一般会計からの繰り入れは確かに少ないに越したことはない。しかし、南棟建設の上に北棟も改修が必要になった。長年の赤字補てんで内部留保も底をつき、市から最大35億円の借り入れという段になっても、市は「10億円を基準」を見直そうとしないことに、疑問を持ちました。

いくつかの自治体議員を通して繰入条件を調べると、やはり「地方公営企業法第17条の2」との答えが大半。他市で平塚市以上の繰入額になっているのに、平塚市は病院建設を行っていてもこの額というのは、どう考えてもおかしい。ある日、ネットで、総務省が発表している「病院事業決算状況」という決算カードのような報告を見つけました。これには、全国自治体病院の決算状況が毎年出ていたのです。

まずは、県内15カ所の自治体病院の数年分を表にまとめて、比率を出してみてビックリ!平塚市がいかに出していなかったかが一目瞭然。今議会で、「H22年度からH28年度の7年間だけを計算しても、基準額より48億円も少ない繰入額になっている。これまで市民病院の赤字は病院経営のあり方にあると思われてきていたが、実は平塚市にあったのではないか。」と質しました。

下の表がまとめたものです。2回クリックして拡大してみてください。

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どの自治体も17条の2に沿って請求し、それをほとんどの自治体が100%から100%以上一般会計から負担している。全体の平均を見ても90%を超えているのです。平塚近辺の自治体を見ても、平塚市が異常に減額している実態が明らかになりました

病院がどんなに苦しみながら赤字を埋める努力をしているか。どんなに消費税に苦しんでいるか。毎年毎年、17条の2に沿って計算して市に請求してもその半分から60%台しか認められず我慢させられている。どちらも市の職員です。この力関係の差って何?

しかし、市側は「過去に多額の繰り入れをしている。最近の数年を並べて比較して少ないといっても、それは当たらない」と私の指摘を否定しました。私は「過去にどんなにバブルの時期だからと言って、将来のために余分に繰り入れるなどないはず。17条の2に沿って粛々と出してきたはずです。」というと、コックリとうなづきました。それでも、「その時その時、病院側と協議をして決めてきていることだ。」との答弁でした。

病院経営は本当に厳しく、100%繰り入れても赤字になる病院もあります。一般行政職の仕事は、予算がないといって市民の要望を見送ったり、縮小したり、事業によっては廃止することもある。しかし、市民病院は市民の命を守るために、どんなに採算が合わなくても治療をしなくてはならないし、消費税が上がって、診療単価では追い付かないからといって、患者さんに消費税分を上乗せすることもできないのです。

行政も経営感覚をもって運営するようにとよく言いますが、言葉だけでなく、「まず、病院会計を経験してから市の財政を担当したら?」と言いたくなるほど、本当に冷たい答弁でした。


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