障がい者雇用の水増し問題で、原因を検証してきた第三者委員会が22日に結果を公表しました。同時に、厚生労働省神奈川労働局が県内自治体の実態を再調査した結果も発表されました。
政府は、障がい者の方々が働く環境整備を抜きにして、法定雇用率向上ばかりを追い求めてきたために、中央省庁自体が国で決めた雇用率に翻弄され数字合わせになってしまったのではないでしょうか。
今回検証された雇用率は、平成29年度のものでした。
私が9月議会で質問をした答弁では、平塚市では平成29年度は50人雇用しており、雇用率は2.43%との報告でした。しかし、今回明らかになったのは、厚労省のガイドライン等に沿った人数からすると10人が水増しだったとして、正確には40人で雇用率は1.94%だったと報告されています。
平塚市がこれまで報告していた障がい者雇用率は、
H26年度 2.15%、
H27年度 2.34%
H28年度 2.42%
H29年度 2.43%
と答弁しており、
雇用の実態は、正規職員はH26年度からH29年度までの4年間でH27年度に2人採用したのみ。嘱託職員ではH25年度1人、H26年度1人、H27・28年度は採用なし、H29年度1人。ワークショップ「夢のタネ」はH26年度からH29年度まで毎年4人は変わっていません。そうすると、H28年度は新たな障がい者雇用はなかったのに、H27年度2.34%がH28年度に2.42%上がったのはなぜか。
朝日新聞の報道では平塚市担当者は「雇用率を上げる意図はなかった」としていますが、「採用時には障がい者手帳を確認しているが、プライバシー配慮の観点からその後は提示を求めてこなかった」となると、途中で障がいをもったと申告した人がいるが手帳までは確認しなかったのか、または、何らかの理由で障がい者と数えたということになります。
障がい者が雇用されるべき枠(法定雇用率)が上げられても、現在の職員の中で数合わせをして「雇用率達成!」などとされては、「障がい者がごく普通に地域で暮らし、地域の一員として共に生活できる『共生社会』実現」など、ただのお題目でしかありません。
国が、首相が、ウソをつくのに平気になっている日本。障がい者という弱い立場の人々の生活、生業に対し、あまりにも軽軽なウソがまたまた発覚したと思うと、腹立たしくてたまりません。
平塚市も今回の検証によって、障がい者雇用率は
H29年度は1.94%
H30年度は2.22%
となって、法定雇用率は達成していないことがわかりました。
平成33年度から雇用率はさらに0.1%引き上げられる予定です。雇用率を上げるには、まず障がい者の方々が安心して就労するための「環境整備」が何より重要です。平塚市は庁舎も新しくバリアフリーになり、身体障がい者の方々にとって大変働きやすくなりました。障がい者の方々の就労をさらに促進するとともに、平塚市のワークショップ「夢のタネ」の枠をさらに広げ、そこで実習を受けた方々がどんどん地域の事業所で働けるよう、行政として力を尽くしてほしいと切に願います。