松本とし子

まつもと 敏こ
日本共産党平塚市議会議員
活動ファイル

農業経営者 「TPP推進は問題」の新聞記事をもって我が家へ

2011年10月24日

私が帰宅すると、ある農業経営者が購読している「日本農業新聞」の記事をコピーして持ってきて下さっていました。日本共産党は一貫して「TPPに加盟し、自由貿易を進めることは農業をはじめ、多くの産業をダメにする」と言っているからこそ、「農業新聞でもいっている、頑張ってくれ」という思いだったのだと思います。

翌日、お会いして話をすると「農業だけの問題じゃないっていうね。」と。

その記事は、フランスの国立人口統計学研究所の研究員「エマニュエル・トッド氏」のインタビューの内容でした。

自由の弊害

競争激化で賃金低下   需要縮小の根源に

貿易自由化の議論をすることは適切だ、生産に適した場所に専門化して大規模に生産することは望ましい。誰にとっても利益になりえる。しかし、同意できないのは、何が何でも自由貿易でなくてはならないという狂信的なイデオロギーだ。欧州や日本、米国では、自由貿易によって若い世代の収入が低下し、仕事を得ることも難しくなっている。若い世代へのしわ寄せは大きな問題だ。

「自由貿易をすれば何でもよくなる」という主張は、非常に単純な観念論で乱暴だ。それに対し、保護主義はイデオロギーではなく、問題に対する実用的で合理的な解決策だ。

農業の価値

農業の果たす第1の役割は、国家の安全保障への貢献だ。何があっても、その国が生き延びられるような安全装置を国内に持つことが大切でそれが農業だ。さらに、素晴らしい景観を保つために、農業や農家が果たしている役割もある。国土の美しさは、農業が生み出していると言ってもいい。

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というものでした。

日本の農業者が、これではやっていけなくなると叫び、東日本の復興には水産業を守る施策をとらなくては復興の道もあり得ないという時に、私は、TPPを何が何でも進めようという政府の考えが理解できません。

しかも、下の図を見ると、TPP加盟国のそれぞれの国とはすでにFTAを取り交わしており、日本は、何が何でもTPPに入らないと世界から取り残されるわけではないのです。

この中で、自由貿易をしていない相手はアメリカとニュージーランドだけ。アメリカは小さなしかも人口の少ない国々を相手にするより、日本をまきこんで儲けたい・・・これが狙いです。

しかも、農水産物だけではないのです。金融から保険から、労働力まで自由化です。アメリカは日本の車産業も自国につくらせて、すでに関税ゼロ。どの生産物でも自由化して困るのは日本の方です。よく、TPP推進派は「そんなに反対というなら、対案を出してから言え。」といいます。

逆に関税ゼロの中に入って、日本経済が好転するシュミレーションを出してみて欲しい。何がよくなるのかを!「エマニュエル・トッド氏」がいうように、「自国民の食糧は自国で賄う」これが国を治める者として当たり前の政策です。自由貿易が多くの若者の未来を壊してしまっている現実にも早く気付かないと!

我が家に記事を届けてくださった方の切羽詰まった思いは私も同感です。何としても大きな世論をつくってTPP加盟を止めたい!

TPP交渉参加国の間にある既存FTA

fig2

  各国政府資料から作成


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