今日(29日)は、新日本婦人の会の方3人と学校給食課を訪れ、現在実施されている「業者弁当販売方式」についてお話を伺ってきました。平塚市では、市内の多くの子育て中のお母さんの「中学校給食実施」への願いがまだ叶えられていません。
(※ 平塚市学校給食検討委員会資料です)
その理由としては、学校施設の耐震化がようやく終わりましたが、まだ幼稚園や文化施設の耐震化が控えています。21校の小学校給食を作っている2か所の共同調理場も耐震診断の結果、多額の整備費が想定されています。そして教育現場では、夏休みが過ぎても異常な暑さが続き、40人近くがキューキューに詰まった教室でクーラーもなく勉強をしている。まず、この解決を優先したいということでした。
そうした中、昨年9月議会に補正予算を組んで、お弁当を持ってこれない生徒のために、注文や配達経費の補助をし、栄養士の助言で、栄養のバランスを考えたお弁当を注文できる「業者弁当販売方式」を導入しました。新日本婦人の会のメンバーは、給食の意義と重要性を十分認識しながらも、学校現場の実態も理解できることから「中学校給食が実施できるまでの経緯をしっかり見ていこう」ということで、今回、業者弁当販売の実態を聞くことを計画し、私も同行させていただきました。
今度開始した業者弁当の状況
この「業者弁当販売方式」は、はじめ平成15年度に導入し一時は8校まで広がりましたが、徐々に注文する生徒が減り、業者が撤退して現在まで続いているのは2校となっています。今回はその2校のほかに、新たに2校加えて(1校は昨年の11月から、もう1校は12月から)実施しています。注文数が少なくても配達してくれるよう支援策も講じました。また、地元のパン屋さんが調理パンと菓子パンを組み合わせたセットを学校に配達している学校も2校あります。注文数はその学校の全生徒の5.1%~5.9%となっており、今日の朝日新聞に掲載されていた「横須賀市」の実態(5%前後)とほぼ変わらない状況のようです。
今後市内中学校15校に広げていきたいとしています。しかし、県内19市中7市が小学校と同じ給食方式、デリバリー弁当箱方式が2市(相模原市は一部小学校と同じ完全給食)、業者弁当方式は平塚市も入れると8市。藤沢市では、平成26年(今年)11月から「民間業者が調理し配送するデリバリー方式の給食と家庭からの弁当持参の選択制」を実施するといいます。
今日の懇談の中で、大阪府では、府の勧めで中学校給食が全府的に広がっていますが、弁当とデリバリーの選択制のためデリバリーを選択している生徒は全体の10%だとの説明がありました。給食の魅力は、栄養バランスはもちろんですが、温かいスープや、トロリとした食感、湯気とともに漂うおいしい香り・・お代わりもある。作る人の顔が見え、その人たちへの感謝の念をもって残さず食べようとする意識、食べる人の喜ぶ顔を見て作る喜びを感じ、さらに美味しく作ろうと励む気持ち・・そうした諸々のものにあります。
「とにかく早く中学校給食を」という中で、建設経費がかからず盛り付けの時間がいらない「デリバリー方式」を採用する自治体も出てきていますが、「それでいいのかな」と感じると同時に、本来の「給食の在り方・意義」は非常に深いものなんだと改めて感じました。