平和を守る子ら
加藤桝治さんからのエッセイが届きました。是非ご覧ください。
加藤 桝治
9月5日、戦争法案反対を自らマイクで訴える加藤氏
昨年9月19日に参議院で「強行採決〕され「成立」した戦争法(「平和安全保障法」)を廃止させようと、『戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会』のよびかけで全国で2000万人を目標に署名運動が展開されています。
私も、近所の家々を回り署名を集めています。どこでも強調されるのは、「戦争は絶対に反対だ」でした。平日は高齢者が多いので戦争体験の話が出ます。戦争体験者でない人も、祖父母や、父母に戦地の話や、平塚空襲の話、疎開の話や食糧難の話が語り継がれて「戦争反対」の声になっているのです。
平塚市で毎年おこなっている小・中学生の「作文・写真コンクール集・平成二十七年度版」が公民館に展示されていたので見ることができました。その中で平和問題を取り上げている小・中学生が何人もいました。
戦争を知った動機は、テレビ、ビデオ、曾祖父母など家族や、集会などで戦地や、空襲の体験を聞いたこと、中学生は広島への修学旅行を挙げていました。戦争を知って共通する声は「戦争は絶対反対」です。
「何の罪もない人々が次々と殺されていく戦争はあってはならないと思います。人の命は一つしかないからです。戦争をしても得られるものはなく、残されるのは「死」「傷」「悲」といったマイナスの事だけだからです。なので戦争と云うものはぜったい必要ないものだと僕は強く訴えたいです」(小6・男)
「戦争という激動の時代を生き抜いた曾祖母の話は、今の平和な時代を生きる私たちには想像することもできないような内容でした。曾祖母は涙ながらにこう話しました「とにかく大変で辛かった」と。(中二・女)
この子たちは戦争にどう向き合おうとしているのか
「今の平和な日本を保つために、僕らのようなこれからの日本をつくっていく世代が頑張らないと」「僕が胸をはって云えることは、戦争はやってはいけないということ。戦争という二文字は、この世界から消すべき言葉だということです」。(中三・男)
「平和についてもっと勉強したいので来年の夏休みには広島に行こうと思います。そうして一人一人が過去の歴史と向き合い、平和の大切さと思いやりを持てば、戦争はなくなると思います。(小五・女)
「もう二度とこのような戦争を起こさないために、『戦争』というものを決して忘れず、語り継いでいくことこそが、私たちに出来る平和への第一歩だと思います。そして私は、今も戦争をしている国の人達にもこの言葉が届くことを願っています」。(中三・女)
「人生20歳」と戦死を覚悟していた私の時代を振り返り、70年の平和の重みをしっかりと受け止め、まだまだ長生きして「戦争体験者」の責務を果たしたいものです。
(2016年1月末)
私にとって生涯忘れられない人に、東京都小金井市にお住まいだった箕輪喜作さんがいます。
箕輪さんは「9条おじさん」と呼ばれ、「9条」の大切さを訴え続け、署名活動に取り組んでこられた方です。箕輪さんの思いも加藤さんの思いも、根っこにあるのは「平和を守ること、戦争をさせないためにあらゆる努力を尽くす」ことだと思います。箕輪さんとは同郷(となり町同志)ということもあり、お手紙をいただいたり、著書を送っていただいたり、平和運動の基本を教わった方です。
今月の加藤さんのエッセイを読んで、箕輪さんが少女たちに9条の大切さを訴えていたときの話を思い出しました。加藤さんから毎月届くエッセイからも、同じ平和への思いが強く強く感じられます。
箕輪喜作さんは「署名は愛だ」といいます。↓もご覧ください。