日本共産党平塚市議会議員団を代表し、発言通告に従い質問いたします。
1. ごみ処理広域化計画について
今年3月「湘南西ブロックごみ処理広域化実現可能性調査」の最終報告書が出されてから、この件では議会で何度か取り上げられてきました。私たち共産党市議団は平塚市が「なぜ1市2町のごみ処理広域化が必要なのか」を市民に説明しないまま進めようとしている点に強い疑問を感じています。そういう立場から、何点か質問をさせていただきます。
最終報告書は、H10年度から14年度の5年間の実績をもとに作成したとされています。しかし今議論されることは事態に即した数値でなければ意味を成しません。平塚市ではリサイクルプラザができ、H16年度のごみ焼却量は前年に比べ約7000t減少しました。
さらに、最終報告書では「将来人口推計」は平成30年までどんどん増え続ける予測をたてていますが、企画部企画課が今年5月に出した「(仮称)次期平塚市総合計画策定に関する将来推計人口」によると2011年(平成23年)をピークに平塚市の人口は徐々に減少すると発表しています。
この広域化計画では、将来、人口が増える予測でなおかつリサイクルプラザがない状況でのごみ排出量をもとに、1日340tもの大きなごみ処理施設が計画されています。これらの点を実態に即して計算した場合、平塚市のごみ排出量はどれだけであり、市独自の焼却場を建設する場合、規模はどれくらいで金額はどれくらいになるのかをお示しください。
(1) 平塚市のごみ発生抑制計画
今までの議会答弁では、「補助金・交付金なしでは建設はできない。広域化が必須だ。」ということでした。また、新たな国の循環型社会形成推進交付金制度では、廃棄物の3Rを総合的に推進し、循環型社会の形成を図ることを目的としている。そのため環境に負荷をかけないという点からも排出抑制は重要なポイントであるとしています。
そこで伺います。
平塚市が今進めている「一般廃棄物処理基本計画」ではごみ発生抑制の目標値、目標年度はどのようになったのでしょうか。この排出抑制で年間のごみはどれだけ減る見込みでしょうか。また、今年度中に市独自で始めるとした剪定枝の資源化は進んでいるのでしょうか。消費者にとって不必要な包装や容器の回収に関する企業責任をどうお考えでしょうか。
(2) 市民への周知の方法
1市2町は、住民から「最終報告書」に対する意見を3月1日から31日までの1ヶ月間募集しました。意見を寄せた人は29名で、平塚市からは4名だったと報告がありました。
それぞれが市町のホームページと広報で知らせたわけですが、平塚市の広報からは市民の意見を募集しようという気持ちが伺えません。3月1日号の広報に、大磯・二宮の広報と比べても大変目立たない扱いにして3月いっぱいで締め切った、それがこの結果だったと思います。
市長は湘南市合併問題では、市民の合意のない合併に反対しました。この「ごみ処理広域化計画」はまさに合併同様に1市2町が合同でやろうとするものであり、十分に住民に説明をする義務があると思います。
市長は自ら市民の中に入って意見を聞く場を設けてきました。いどばた会議でも、まなびトークでもどんどん市長が出向いていって広域化に対する市民の意見を聞くべきではないでしょうか。
平塚市のごみだけでも大変ななか、市民に十分な説明を怠ったまま広域化を決めて、今以上に大きな焼却場の建設を進めていいのでしょうか。
過去に肝心なことをそこの住民に伝えず、全部決まってしまって反対できない状況にしてから伝えるという住民の反発の声を聞いています。循環型社会形成推進交付金の交付対象は人口5万人からであり、焼却炉の規模は限定されていません。大磯・二宮で1つの焼却場を作っても交付金は可能だと県の説明でも言っています。
1市2町の広域化計画は、全体で185億4500万円という膨大な額になるものであり、維持費を含め今後大変な財政圧迫が予想されます。6つの施設をそろえなくても交付金は出るといっているわけですから、それぞれの自治体が住民と十分議論しあって、今の緊迫した財政状況において禍根を残さないごみ処理計画を進めるべきと考えます。
まだ十分選択肢があるのに、何が何でも広域でやらないと交付金がもらえないかのような言い方で広域化を進めるのは、将来的にも非常に無理が生じると考えますが、ご見解を伺います。
(3)上勝町の「ゼロ・ウェイスト」の精神に学ぶ
徳島県上勝町は人口2140人の小さな町ですが、ごみ問題では、2020年を目標にごみの排出をゼロに抑える「ごみゼロ(ゼロ・ウェイスト)宣言」をして話題となっています。私たち共産党議員団は9月にここを視察してきて、大変参考になったのでご報告させていただきます。
このごみゼロ宣言では「焼却炉をはじめとした施設建設は環境汚染、住民の不安、自治体の財政圧迫など、深刻な問題を引き起こしている。国の今の政策は莫大な補助金を使い、誤った誘導政策で自治体に過度のごみ処理責任を課すもの。
そして生産者である企業の負担は自治体の負担より少なく、自治体は今後税金による負担が増し、健康や環境が犠牲になることが予想される。・・焼却を中心としたごみ処理政策では次代に対応した循環型社会の形成は不可能であり、上勝町独自で未来につけを残さない選択を決断した」といっています。
家庭用電動生ごみ処理機・コンポストの補助で普及率は98%。シュレッダーにかけた紙は専門の再生業者によりトイレットペーパーやコースターに、ラップの芯は学校の工作用に、古い電話帳は別にして高値で買いとってもらうなど徹底した排出抑制と資源化を進めています。
未来の子供たちにきれいな空気とおいしい水、豊かな大地を継承するため、上勝町は「ごみゼロ」を宣言したのです。
平塚市も是非、市民と一緒になって大きな目標に向けて、発生抑制をはじめとした3Rに積極的に取り組み、真の循環型社会を目指してゆくことが大切であり、それが今世界の流れではないでしょうか。ご見解を伺います。