9月議会に「馬入ふれあい公園、サッカー拠点の整備に関する請願」が出されました。この請願は「馬入ふれあい公園に便益性の高い、ヨーロッパ型クラブハウス、レストハウス等の建設措置を至急講じること。」というものです。
「(株)湘南ベルマーレ」は、9月で大神グラウンドの契約が終了し、馬入グラウンドに拠点を移すことになりましたが、馬入グラウンドにはクラブハウスがないため、(株)湘南ベルマーレやサポーターたちから「ふれあい公園内へのクラブハウス建設」の要望が出ていました。
自治体の敷地にプロ・サッカーチームのクラブハウスを建設しているところも確かにあります。そこは建設費を全額自前で出し、建設後にそのクラブハウスを市に寄贈しましたが、その施設は市が使いたいといってもなかなかチーム側との調整が難しく、市の建物ということで維持・管理は任されながら、ほとんど使えない施設になっていて、市の方でも頭を抱えているのが実態です。
平塚市においても、プロ・サッカーチームには欠かせない施設であっても、公の場所に市が建設したのに市民には使いづらく、維持管理費だけ持たされる建物になってしまうのではないかと危惧されます。
市は一企業の建物を公の公園に造るということは都市公園法からしても難しいとしながらも、ベルマーレ側と協議し、馬入ふれあい公園内の管理棟やひらつかアリーナの控え室などを貸すことや、補正予算を組んで駐車場の一部に「多目的棟」を建設し、その一部を貸すことも合意しています。
いま、市民は増税に次ぐ増税で貧困層が増大している中、6月議会でも市のベルマーレへの増資が可決されたばかりです。今回の請願は、クラブハウスを建設する「場所の提供だけ」とはとらえづらく、建設費用まで市の負担ともなれば、今後自治体をホームグラウンドにするプロ・サッカーチームのあり方が問われてきます。
大分市にあるプロ・サッカーチーム「大分トリニータ」を視察してきましたが、そこは、球団が独自にサポート企業を開拓しており、大分市は一円も出資していないといっていました。ところが、平塚市はすでに26億円かけて球場を整備し、9千万円近い出資をしており、人口26万弱の自治体として、最大限ベルマーレの活動に協力をしてきました。
これ以上、市に法の解釈を変えてまで公園内に一プロ球団のクラブハウスを造ってほしいということは、市民の納得が得られるものではないと考えます。
球団は、近隣のホームグラウンドである市町、隣接する企業等に広く声をかけ、自ら気兼ねなく、使いやすいクラブハウスの建設を目指し、市の財政に頼らない方向を見いだすことを強く要望し、共産党議員団は、本請願に反対しました。
しかし、平塚クラブ・なでしこ21・公明党が賛成し、請願は採択されました。
市民への負担が重くなる中、ホームグラウンドとは何か、プロ球団とはどうあるべきかみんなで考える時が来ているのではないでしょうか。