松本とし子

まつもと 敏こ
日本共産党平塚市議会議員
ほのぼのタイム • 活動ファイル

加藤桝治さんからのエッセー

2016年10月9日

『高炉会』に参加して

加藤 桝治

 『高炉会』の総会に出席しました。『高炉会』とは、元日本鋼管川崎製鉄所、鶴見製鉄所、鶴見造船所のパージ被害者の有志らが、レッド・パージ50周年で集まった際、親睦を深める場として結成されたものです。以後、毎年集って近況を話し合い、隔年ごとに総会ということで役員の選出などを行ってきました。レッド・パージ被害者も高齢になり。出席できる人も少なくなり、鬼籍に入った方も増え、10年来会長をしていた小林四郎さんも6月に亡くなりました。被害者の出席は少なくなりましたが、レッド・パージ被害に遭わなかった後輩たちが、定年となり、続々と高炉会に入ってくれて年に一度の集まりも数十人の集いになり賑やかなものになりました。

 そんなわけで、パージ被害者の出席は私一人だけでした。

 まず、参加者全員の健康を祝って乾杯をし、全員に自己紹介と近況を話してもらいました。感じたことの2~3を述べてみたいと思います。

 健康上の理由や都合で欠席された方もいましたが、参加者はみな元気に発言していました。60代後半から80代前半の人達、約40人程でしたが、退職してそれぞれの地域で活動していることが報告されました。町内会の役員をやっている人、健康や暮らしを守る会。文化活動。9条の会や、革新懇の役員として活動している人、地域の共産党組織でビラや新聞を配り、様々の相談稼動をしている人など、それぞれが健康や、家族の条件を生かして活動していることが生きいきと話されました。

 十二月に「よこはま壱座」の公演をめざし稽古している人。一人で淋しく食べている子供たちのために月一度の子供食堂を開いている話にはジーンとくるものがありました。76歳にして初めてフルマラソンに挑戦し完走したとか、同じ76歳で富士山に初登頂した話は、みんなを元気づけてくれました。元・日本鋼管鶴見造船所を退職された城谷護さんは、腹話術でゴローちゃんと一緒に出席してみんなを笑いの渦に巻き込みました。最近、日本国内だけでなく外国でも公演し、ラジオや新聞で報道されて有名になっている人です。

 とにかく、賑やかに一人づつが話す。それが実に明るく楽しい。いままでの人生の中で、苦しさや悲しみを乗り越えて来た人達だと思いますが、みんなの生きいきした話の中にその回答があるように思いました。

 レッド・パージによって、自由を奪われ思想差別が強まっている職場の中で、様々な干渉や抑圧に負けないで、仲間をつくり職場に闘う組織を作ってきた。思想差別に反対する裁判闘争も闘い抜いてきた人達です。その体験が、現在の生きる力になっているのだと思います。それぞれの知恵と力を出し合っているのだと思います。

 最近の身体の状況を心配して妻が一緒に参加してくれましたが、皆からもらった元気を力に一日一日を歩き続けようと誓った一日でした。

(2016年10月)

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これは「コブシ」の木の実です。

市役所別館(循環型社会推進課の建物)の道路際にもコブシの木がありますが、今年は実が見当たりません。どうしたのかな・・と思っていますが、これは秦野に行ったときに見つけて撮ったものです。

レッドパージで辛い差別を受けながらも、逞しく生き抜いてきた加藤さんたち。この「コブシ」の実を見ながら、手のひらに力が入りました。


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