5月17日、厚生労働省専門家会議で脳脊髄液漏出症の治療に保険診療の併用を認めることを決めたという報道がありました。「早ければ7月にも入院費などが保険適用となる」という記事に「ようやく」という感と同時に、「早く、脳脊髄液減少症そのものを病気として認めてほしい」という思いを強くしています。
脳脊髄液漏出症は交通事故や体育などで頭部・頸部などに強い衝撃を受けた時に起こるもので、頭痛やめまい、起き上がると立っていられないほどの苦痛な症状に苦しむもので、脳脊髄液減少症の典型的なものです。私はそういう人を目の当たりにしてきただけに、人ごとではありません。。
この症状に悩んでいる方は全国で約1万人と言われていますが、原因が特定されずに、苦しんでいる人もいるのではと思います。脳脊髄液減少症・漏出症そのものを認めないという医師もいて、診断を下し、専門に治療をしてくれる病院もそう多くありません。
髄液が漏れるところに自分の血液を注入し、血液凝固作用を利用して漏れをストップさせるという「ブラッドパッチ」は1回1万8千円ほどしますが、入院費用から全部自費のため約30万円程度かかります。1回のパッチで治る保証もなく、保険が適用されない現在、症状と生活苦の両方に苦しめられているのです。
私が脳脊髄液減少症の問題に関わって9年になります。平塚市議会でも保険適用を求める意見書を全会一致で国に上げていただきました。こうした全国からの意見書や運動が保険適用に動かした力になったものと思います。
今回、ブラッドパッチの費用は自己負担のままで、それ以外の入院費や検査費用が保険適用になるといいます。ブラッドパッチを治療と認めないという厚生労働省の姿勢は残念です。しかし、現在これ以外の有効な治療法がない中、早く全面的な保険適用となることが待たれます。