平塚市では、小動物火葬場がつくられて30年以上になるといいます。
畜産農業に係る以外の小動物を対象に、1匹の処理料2000円、家まで引き取りに来てほしい人は1匹3000円の手数料で処理しています。
これは、平成7年に制定された「平塚市廃棄物の減量化、資源化及び適正処理等に関する条例」で定められています。
議員団ニュース1049号でお知らせしましたが、来年度から、この処理手数料が1匹5000円、引き取りに来てもらう場合6000円となる「改正案」が出されています。
そこで、今日大雨のなかでしたが、小動物火葬場で処理するところを見学させていただきました。今日は、大きめの犬1匹、猫8匹、兎1匹の計10匹が処理されるところでした。
手数料を支払われない動物たちは、1メートル×2メートルほどの炉の金網の上に無秩序に並べられていました。9時過ぎ、炉の扉は閉まり、スイッチが入ると軽いゴーッという音とともに、「処理」されて行きました。思わず合掌。
ここでは週3回の稼働で、年間約3000匹が処理されているとのこと。そのうち、手数料を払って処理を依頼するのは1000匹強。あとは道路で死んでいたり、ごみのときに「小動物」として出されているものが約2000匹といいます。
平塚市では、長年、小動物は動物専用の火葬場で焼却してきた歴史があり、猫などの死骸がごみとして出されていても、動物専用の炉で処理しているとのこと。
大型の冷凍庫のなかには、飼い犬と思われる死骸が保管されていました。「飼い主が、うちの犬がそこに行っていないかと尋ねてくることもあるので、1週間は保管している」と言います。こうした配慮に、「ありがたい」と思わずにいられません。
しかし、この運営費が年間1400万円(少々多く見積もっている感はありますが)かかる、しかし、年間の有料処理収入は210万円。そこで手数料の見直しをしたいというわけです。市では、1匹当たり7000円近い費用がかかっている。民間の処理費用からしても今回の改正案は妥当だと説明しています。
民間では1匹あたり約2万円から2万5千円します。しかも、市内の万田地域で起こっている「ペットの火葬場」問題のように、全国でも民間のペットの火葬場の建設のたびに住民とのトラブルが後を絶ちません。こうしたことからも、市が運営する「小動物火葬場」の火を消してはならないと痛感しています。
骨壷は安価なものだといいますが、考えてみたら、引き取った人が「それでは不満」なら気に入った容器に入れ替えればいいわけですから、市がそこまで豪華なものにする必要もないと思いました。
それより、利用者の思いは「個」に対する配慮が十分であることが一番であり、利用料の改正案の是非はそこにあると思います。
火葬場のそばにある小動物の慰霊塔
職員の方が、待っていてくださいました。
この中に、お骨を入れてお渡ししています。高さは15センチほど。