21日は、午前・午後にわたり議会閉会中の調査として、環境厚生常任委員会が開かれました。
午前は「(仮称)次期環境事業センター整備・運営事業について」
- (仮称)次期環境事業センター整備・運営事業実施方針
- 事業コンセプト書
- 要求水準書(案)
の中から環境部と質疑応答が行なわれました。
現在、平塚市と大磯町の1市1町で、一日のごみ処理量315トンのごみ焼却場(次期環境事業センター)を平成22年度から24年度の3年をかけて建設し、25年度から稼動させる計画のもとで、上記の方針やコンセプトが提示されています。
私達共産党議員団はこの問題ではずっと、「平塚市は、ごみの減量化にどう本気で取り組んで行くのか」ということで、ごみ減量化を第一義的に検討し、ごみ回収車を減らし、排出ガスも減らし、少しでも小さい炉、燃やす量を減らすことを優先にすべきではないかと言ってきました。
そのためには財政状況がきびしい中、急いで建設するのではなく、いかにごみを減らすかを市民と一緒になって考えて少しでも小さい焼却場建設を進めていくことが大事ではないかと質してきました。
● 今回の環境厚生常任委員会で、私は市が目標としているごみの減量化について改めて確認をしました。
今、市が掲げている目標は
- 減量化は平成9年度の総排出量に対し、平成22年度に5パーセントの削減を図る。
- 資源化は同年度比で平成30年度までに34パーセントにしていく。
- 最終処分量は同年度比で平成30年度にはその5分の1にする。
ということです。それでは、現在どこまで到達しているのかと質問したところ、担当課は上記のとおり繰り返すのみでした。
私は、H19年度の焼却処理量で見ても、H9年度と比較すると5.5%の減量にすでになっていること、資源化率も、H19年度の総量と今後建設を計画している厨芥類と剪定枝の資源化施設で処理する処理量をあわせれば、H9年度比で35.6パーセントになることを指摘し、まったく現在のごみは減らさなくても目標を達成しており、市は真剣にごみ減量を考えてはいないのではないかということを質問しました。
これに対し担当課は、市民が厨芥類(台所から出る野菜などのごみ)を分別すること、庭の木の枝などを分別することも減量化であるといいました。
しかし、厨芥類を資源化するのは一日20トン分。ごみ全体の6パーセント。市町住民のある一部の地域だけにお願いするものです。そして、剪定枝の資源化は公的な公園などから出るものを対象としている小規模の施設です。
これでは、ごみを減らすことにはなりません。様々な自治体が自分のまちの現在のごみ資源化率をホームページで示して、市民にさらに目的達成の努力をお願いしている。こうして社会全体が、いかにごみ排出を減らそうかと議論しているときに、「それを資源化するから今の量のままでいい。」では、市民の減量化意識も、企業の排出規制も全く進まないことになります。
● 事業者選定に当たり、焼却残渣(飛灰・焼却灰またはスラグ)全量の資源化を行なうということを掲げています。さらに、最終処分場への持込は不可とし、市は特別目的会社に有償で譲渡する。譲渡(引き渡)した時点で資源化したとみなすとしています。
とにかく焼却残渣を売って資源化してくれる事業者に運営を任せるというが、溶融スラグの路盤材などへの使用がいかに危険性をはらんでいるかを、日本総研の研究員が指摘しているが、どう考えるかと質問したら、JAS規格で認められているものであり、国が認めたものであるから問題はないと認識しているというものでした。
日本総研の南條有紀研究員は「基準値をクリアしてはいるが有害な重金属を含んでいるという、『中途半端』な再生スラグばかりがこの先大量生産され、再利用され続けて良いのだろうか。」「十分とはいえない基準値を維持する、さらには規制を安直に緩和することでスラグの用途を広げることは、本質的な問題解決とは程遠く、近い将来には深刻な環境汚染を招くことにもなりかねない。」と、現在の焼却残渣の溶融スラグをコンクリートなどに混ぜ込んで道路などに使用することを危惧しています。
オランダでは起こりうる最大の条件でスラグの安全試験を行なっているといいますが、この日本は、企業の販売競争に手を貸して、安全基準を緩和させていることが、後に大変な問題を引きおこすことになりかねないと思います。
● 他の委員からも次々と質問が出されましたが、二宮町の参入についてきびしい意見が複数出されました。
それぞれの自治体の向こうには多くの住民がいるわけで、納得いく議論が必要であると思います。しかし、そうした中で市は、二宮町が加わっても現状の計画で行なっていきたいという意思表示をしており、町には早期結論を導く努力をお願いするとともに、平塚市の「可能」と判断していることに対しては、良と考えています。午後からは、市民病院将来構想(案)に対する質疑が行なわれました。
「ねむい・・」