12月19日、ようやく日本でも子どもの「細菌性髄膜炎」を予防する「ヒブワクチン」の接種が可能になります。
ところで、細菌性髄膜炎ってご存知でしょうか。この病気は、日常的に存在する「インフルエンザ菌b型(ヒブ)」と「肺炎球菌」によって発病します。発熱以外に特別な症状がみられないことが多く、早期診断が困難と言われています。
日本では毎年、約千人近い五歳未満の子どもが感染していると推定され、そのうち約六割がインフルエンザ菌b型(ヒブ)、約三割が肺炎球菌によるものだといいます。
インフルエンザ菌b型が原因の場合の死亡率は3%から5%、肺炎球菌の場合は10%から15%。生存した場合でも10%から20%に脳と神経に重大な損傷が生じて、水頭症、難聴、脳性まひ、精神遅延、けいれんなどを引き起こす病気です。
1990年代から、欧米ではヒブワクチンが導入され、2008年には、アジア・アフリカを含む110カ国以上で使用され、世界でもヒブワクチンを摂取できない国はほんのわずかとなっています。効果は劇的で、今やほとんどの先進国でヒブによる重症感染症はなくなり「過去の病気」とまで言われるようになりました。
日本でも、「細菌性髄膜炎から子どもを守る会」など多くの方々の運動と国会での取り組みにより、ようやく今月の19日から接取が認められます。しかし費用は、通常は四回接種で三万円程度かかるといわれていて、保護者の負担が重くなるのが必至です。
子どもの生命や健康を守ることが、その子の家庭の収入などに左右されてはならない。そのために、国民健康保険の保険料(税)の滞納による資格証明書発行世帯のうち、中学生以下の子どもがいる世帯には一律に六カ月の短期保険証を交付することが、衆院厚生労働委員会で全会一致で可決されたばかりです。
この「ヒブワクチン摂取」も、どの子も平等に受けられるよう公費で行うことが強く求められており、私たち共産党平塚市議団は、「2009年度予算要望」にあたり、この「ヒブワクチン」の接種に公費助成を行うよう、市に対しても要望しています。