今朝、宅配便が届きました。知人から「小魚の佃煮」の詰め合わせが送られてきたのです。さっそく夕御飯にその中の「小鮎の佃煮」をごちそうになりました。
しかし、その鮎の佃煮のつやつやとした光沢を見ていると、どうしてもこの詩を思い出し笑っている自分がいるのです。
それはやはり、私の好きな「井伏鱒二」の厄除け詩集から
つくだ煮の小魚
ある日 雨の晴れ間に
竹の皮に包んだつくだ煮が
水たまりにこぼれ落ちた
つくだ煮の小魚達は
その一ぴき一ぴきを見てみれば
目を大きく見開いて
環(わ)になってたがいにからみあつている
鰭(ひれ)も尻尾も折れていない
顎の呼吸するところには 色つやさえある
そして 水たまりの底に放たれたが
あめ色の小魚達は
たがいに生きて返らなんだ
井伏鱒二ってなんて愉快な人なんだろう。
つやつやとした飴いろの小魚たち