松本とし子

まつもと 敏こ
日本共産党平塚市議会議員
議会の取り組み

9月議会報告 (質問と市の答弁)

2007年9月22日

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平塚市の防災対策について

(1)災害に強い安全なまちづくりを進める

【松本】

●防災課に被害の連絡があった時、市は被災した住民の状況や周りの罹災状況を把握しようとしなかった。7月31日に行った災害対策会議では、どのようなことを決定し、どのような対策が講じられたのか。その後、現地調査を1週間もたってから行った理由は。

●避難所の開設について学校が夜間や休日の場合、公民館が夜10時以降や閉館日の場合の連絡体制と全体の認識について。
●応急処置を講ずる任務として、災害対策本部の事前配備の必要性があったのではないか。
●防災課は、被害の種類によって担当部署を的確に把握されていたのか。また、罹災者に対し、罹災届けを出すような助言又は援護制度の利用についての助言などはあったのか。

【防災安全部長】

■「7月31日に行った災害対策会議では、被害状況、東部ポンプ場稼働状況等についての、確認を行った。1週間後の調査は、市民の通報、自治会からの情報の他、現場職員からの情報以外の情報を得るため、実施したもの。

■避難所の開設については、昼間、夜間、休日を問わず、自主避難の通報等を受けた場合は、避難部や地域拠点基地の職員が対象避難施設を開設することになっており、避難所を開設する場合は、防災行政無線等により市民に周知をすることになっている。

■災害対策本部の事前配備の必要性があったのではないかとのご質問。今回の集中豪雨では、第1警戒体制に始まり、関係部課長による第2警戒体制で応急対策を行った。総合的な調整が更に必要になった場合には、災害対策本部の事前配備として風水害警戒本部を設置することにしている。

■防災課は、市民からの電話対応の窓口として、応援職員と共に行う。その後、関係部署に対応を連絡することになっている。罹災証明については、防災課が窓口になっていることはお伝えしている。

【松本】

●災害から自分や家族の身を守るための啓発運動「自助、共助、公助の啓発」の現状、到達点についてどのようにお考えか。

【防災安全部長】

■地域の災害を減災するためには、自助の意識と共助の対応が大切になりますことから、自主防災訓練や市主催の防災訓練や防災フォーラムなどを通して意識啓発を図っている。

特に総合防災訓練時には、平塚地区新聞販売組合との協定に基づきご協力をいただき、全世帯に災害チェックポイント等のチラシを配布し意識啓発を進めている。

公助としては、防災備蓄品を計画的に進め、自主防災組織に対し備蓄食器材の整備補助を行っている。到達点については、現在全面見直し作業中の地域防災計画素案では、地域の特性を踏まえた地区防災計画(市民編)の協働による策定を予定しており、この中でどのような目標を立てることになるか検討されるものと考えている。

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【松本】

●市民の安全と民間への業務委託について

今回、東部ポンプ場が落雷による停電と、冠水により稼動しなかった。しかし、当日は夕方6時58分には大雨・洪水警報が出されており、降水短時間予報や降水ナウキャストによる予報で今後の雨量が充分予測できたにもかかわらず、7時45分のインターネットの気象情報まで人員を配置しなかった今回の委託会社の判断についてどう考えるか。

平成12年9月議会で、東部ポンプ場の委託に際し、共産党の渡辺議員が「(東部)ポンプ場の場合、雨水と汚水が合流しているため、ベテランの職員の判断というものが非常に重要だ。こういった部署で委託をしても、長い間携わってきている人たちがかかわらなければスムーズに事業が運営できない」と指摘した。今回、ポンプ場が冠水し、稼動しないという問題が生じたとき、いち早く呼び寄せられ、復電させるために奮闘したのはここで働いていたOB職員だった。

市民生活に直結した部分での経費削減を目的とした民間委託の危険性がここにも示されたことになる。業務委託に対する市の考えかたを伺いたい。

【防災安全部長】

■今回の委託会社の判断について、7月29日の配備体制については、大雨・洪水警報が発令されたため、17時15分には2名の増員を行い、豪雨前の19時45分には東部ポンプ場に2名が配備された。

当日の東部ポンプ場の排水区内の花水小学校に設置してある雨量計によると、降雨量は30分で58.5mm、1時間では70mmの降雨であり、この降雨量は東部ポンプ場の能力をはるかに超えるもの。原因の詳細については、現在、第三者機関に委託しているため、結論が出るまでお待ちいただきたい。

■業務委託については、市の職員体制ではカバーしきれない専門的な分野や特殊な業務を中心に進めてきた。

委託の推進については、財政的な側面はもちろんだが、業務内容や市民サービスの維持向上、そして何よりも市民生活における安全確保を勘案するなかで判断されるべきものと考えている。

特に施設管理業務については、その施設の特性や設置目的、利用形態等を考慮し、どのよ うな管理形態が最も望ましいかを検討する中で、委託か直営かを判断している。

また、委託する場合も、管理責任は当然行政が負うことになるので、すべてを委託業者に任せきりということではなく、行政と業者が密接な連携のもとに、市民サービスの向上と安全確保に努めている。

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【松本】

●市内では大雨による道路の冠水、床上・床下浸水がまだまだ発生している。今後どのような対策をとっていくのか。また、今回の問題のあと、東部ポンプ場には1名の人員配置が行なわれているが、今後どうするのか。

●見舞金(小規模災害援護制度)は、現在、床下浸水の場合はなく、床上浸水の場合は1人家族で2万円、2人以上の家族では3万円が上限。あまりにも現実とかけ離れていると実感している。今後見直しの考えはないのか伺う。

●迷子の捜索案内、光化学スモッグ注意報などが、防災行政用無線を通して放送されている。市は、風水害は地震と違い予測ができるとしており、雨による道路の冠水なども特定できること。大雨・洪水警報が発令されたら、該当する地域に防災行政用無線を利用して車の移動などを促し、市民の財産を守り、被害を最小限にする手立てを講ずるべきと思うが。

●「全体の奉仕者としての職務」という点では、今回、港地区説明会で市長が語られた「天災人災という前に、行政としてもっときめ細かい、一人ひとりの心に通じるような対応をとっていれば、もっと違った形になったと思う」という言葉に尽きると思う。この点について具体的にどのように検討されたのか。

【防災安全部長】

■現在の処理能力を上回る降雨量に対し一時的に雨水を貯留し、ピーク時流出量を削減するための貯留管等設置の検討や、流出量削減のための浸透施設の設置により、処理能力の効果的な活用を図っていきたいと考えている。

■東部ポンプ場の人員配置については、今後も委託職員1人を24時間体制で配置し、非常事態発生時の処置及び対応を迅速に行えるようにしていく。

■災害時における見舞金、融資制度等の検討会を設置し、検討を開始している。

■風水害時における防災行政無線による周知については、避難所の開設や避難勧告等の場合に実施しており、どのような情報を周知していくかは、関係部署と協議をしていく。

■改めて市民の目線や現場主義に立った考え方や行動を心がけることを周知していく。また、風水害時における初動体制の強化を図ることで、きめ細かい対応が可能となるとの考えから、風水害体制のマニュアルを再検討し、過日の台風9号への対応から新しい体制で対処しているところ。

【市長】

★今回のような突発的な風水害事故に対する対応の悪さについてのご意見は謙虚に受け止めている。私をはじめ職員一同、より一層危機意識を持って市民生活の安全のために取り組んでいく。


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