桜の季節が終わるとともに、田畑をはじめ各家々の庭にも様々な花が咲き誇る季節となりました。金田地域では5月に入ると、とりわけ広大に広がる田んぼに真っ赤に咲いたクリムソンクローバーは通る人々の目を楽しませてくれます。
ところが、「きれいだな」と思うのもつかの間、10日もすると、農家の方々はトラクターでグチャグチャにすき込んでいきます。このクリムソンクローバーは、緑肥用植物として栽培されているからです。
この植物は大気中の窒素を根に集めるため、それを窒素肥料の代わりにするのです。しかし、そのまま肥料になるのではなく土にすき込んで1か月程度放置し、無機化させなくてはなりません。
この地域では6月に入れば田植えが始まるため、今がタイムリミットという訳。
「ああ、今年も見納め・・。」と写真に撮っていると、よく話をさせていただくその農家の方は「せっかくきれいに咲いているんだから、すき込む前に子供でも大人でも好きなだけ取って行っていいんだけどな・・。人の土地と思うからみんな遠慮してるけど、そんな企画できないかねぇ。」と。
一般の人や幼稚園・保育園の子どもたちが、このお花畑に寝転んだり、花を摘んで首飾りを作っている姿を想像すると、とても夢が膨らみます。
トラクターですき込む先から十数羽の小鳥たちが群がり、出てくる虫をついばんでいる風景は、何とも“のどか”です。