松本とし子

まつもと 敏こ
日本共産党平塚市議会議員
活動ファイル • 議会の取り組み

議員辞職勧告決議

2019年9月2日

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(写真:8月27日市役所1階ホールにて)

平塚市議会議員が、元平塚市職員(平成30年12月20日退職)だった前後、2回にわたり市のパソコンから個人情報を漏えいし、自身の選挙運動に一部使用された疑いが持たれた事件、みなさんもきっと驚かれたことと思います。この問題は市議選のさなか4月17日に、市民から「市議選に立候補している渡部氏からはがきが送られてきた」との通報があり、調べた結果USBメモリに複写した履歴があったというもの。渡部議員もこれを認めました。

神奈川新聞では8月8日平塚市の記者会見後、以下の記事を掲載しています。

 神奈川県平塚市は8日、渡部亮市議(40)が、市議選立候補のため市職員を辞める前後に、職場のパソコンから市民の個人情報など延べ約3万1千件を持ち出したと発表した。一部は選挙運動に利用された可能性がある。市個人情報保護条例違反の疑いがあるとして、県警への告発を検討している。

 渡部市議は同日、市役所で記者会見し、「お世話になった人にあいさつするためにデータを入手した。量が多くて全ては持ち出せなかった」と説明。個人情報については「選挙スタッフに渡したが、(選挙運動に)使われたかは分からない」とした。

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この問題を受け、私達の所に多くの方々から怒りの声、呆れた声が寄せられました。共産党市議団としても9月議会に当たり議会として市民に対し意思表示すべきと考えていたところ、3つの会派から「議員辞職勧告決議(案)」の打診があり、議会初日の8月29日、賛成し、討論しました。

議決の前に、この提案に対し反対する複数の議員からいくつもの質問や異論が出されました。この春、ともに市民の信託をいただき議会に身を置くこととなった一議員に対し、議会として意思表示をするという重大な責任があることから、賛成するにあたっては慎重に慎重を重ねるべきと考えていましたので反対の意見に応えるべく、用意していた討論原稿に幾つも加筆することとなりました。

結果は26人の議員のうち、議長と当事者の2名をのぞき、賛成17人、反対7人で、勧告決議が可決されました。

以下が討論内容です。

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日本共産党平塚市議会議員団を代表し、会議案第4号「渡部亮議員に対する辞職勧告決議」に対し、賛成の立場から討論を行います。

この4月の市議会議員選挙で、多くの平塚市民の信託を得て議員となり、ともに議会活動を始めたばかりの渡部亮議員に対し、このような「議員辞職勧告決議」を採択せざるを得ない事態に至ったことは大変残念でなりません。

私達日本共産党市議団が、なぜこの「辞職勧告決議」に賛成の立場をとったのかについて、大変重い責任を感じると同時に、だからこそ、充分な説明が必要であると感じています。

これまで、私達共産党市議団はもとより平塚市議会として、行政に対し、個人情報保護について、また、セキュリティに対する安全性について何度となく議会で質問してきました。

それは、行政では平塚市民の様々な個人情報を扱っており、その情報が本人の知らないうちに漏れてしまった場合、一つ間違えば個人の財産、および命にかかわる大事件にも発展しかねない重大な要素を包含している業務を担っているからです。

公務員は、住民の福祉の増進を基本とし、法令・条例・規則に従い、守秘義務が課せられています。

公務員の法令遵守の徹底やコンプライアンス意識の向上については、これまでもことあるごとに議会の中で確認してきた経緯があります。

そうした中、市の職員として10数年のキャリアのある渡部氏が、昨年11月と12月に市のパソコンから個人情報をUSBメモリーにダウンロードし、そのうちの一部であったにせよ外部に持ち出したことが発覚し、記者会見でも、2度に渡る私との話し合いの中でも、そのことを渡部議員も自ら認めてきたところです。ここを私達は重大であると考えています。

これは、市のセキュリティ機能の甘さ、職員に対するコンプライアンス意識の不徹底さが露呈した事件というだけでなく、同じ職員としての性善説、信頼関係さえも裏切った行為であると言わざるを得ません。

私達議員は、法の下、平塚市の発展と市民の生命・財産を守り、安心・安全な住環境の整備のため、市民の声を市政に反映させ、市民の大切な税金の使い方をチェックし、行政全般を監視する立場にあると認識しています。

言論の府である議会は、法に則り市民の信頼の上に立って、粛々と進めて行くことが重要であることから、市職員として在職中に、市民の個人情報を持ち出すという明らかな法令違反を行ない、多くの市民に混乱と怒りを生み出したことは、議員としてあるまじき行為であると言わざるを得ません。

そうしたもとで、行政のチェック機能が果たせるのか。そこが今回「議員辞職勧告」を求める大きな理由であります。

「辞職勧告決議」は勧告であり、辞職を強要するものではなく、議会としての意思表示と考えています。市民の信託を得た議員としての重みは大変大きいものがあると同時に、市民への道義的責任も大きいものと考えます。

よって、事態の重大さを真摯に受け止めるべきという立場から、会議案第4号「渡部亮議員に対する辞職勧告決議」に対する賛成の討論と致します。


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