上のグラフは、農林水産省が示している「世界の穀物需給及び価格の推移」です。赤い線が世界の穀物の需要量、紺の線が世界の生産量です。(クリックすると、大きくなります)世界全体を見ても、異常気象などによって、生産量は需要に追い付いていません。
そして、グラフの下方にある「安全在庫水準」をみると、2002年ころから「安全値」すれすれを推移し、2006年から2008年にかけては、オーストラリアの大干ばつや欧州の天候不順で安全在庫水準を割り込みました。そして2010年、2012年とロシア、アメリカの干ばつや異常気象による減収で、2012年には18.7%にまで下がると予測しています。
世界の穀物在庫が減り続けている今、穀物は高騰し、輸出していた国々も安定した食糧確保に動き、輸出を制限する国が広がっていると言います。農林水産省が出している「海外食料需要レポート2011年」には、「2008年前半にはアフリカ、アジア等の途上国を中心に食品価格の高騰等に伴う抗議行動や暴動などが相次いで発生」と報告されています。(しんぶん赤旗18日付け)
「自由化したら少々心配な食料が輸入されても、自分の責任で選択すればいいことだし、安いものが手に入りやすくなる分ありがたい」と思っている方いませんか。世界の生産量は減っていて、「欲しい時に欲しい分だけ手に入る」時代ではなくなっているのです。日本の食料自給率こそ引き上げる政策が必要な時です。TPP参加は、国民の食料確保を無視する暴挙です。
下は、農林水産省の平成23年度の食料自給率です。