松本とし子

まつもと 敏こ
日本共産党平塚市議会議員
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災害は、それを迎え撃つ社会の在り方によって被害の状況が大きく異なる (国土強靭化基本計)

2021年12月10日

今、地球温暖化による激甚災害が頻発しています。このままではその都度、人命と国・住民の財産を失う上に、長期間かけて復旧・復興という事後対策を繰り返すことになることから、国は国土強靭化基本計画を策定し、各地方自治体への指針としました。

平塚市もそれを受け、「平塚市国土強靭化地域計画」を策定し、12月6日までパブリックコメントを募集してきました。

今回の議会で、共産党市議団では、この計画で謳っている「いかなる災害が発生しようとも最悪の事態に陥ることが避けられるような、強さとしなやかさを持った安全・安心な社会を平素から構築する」という趣旨をしっかり受けた計画の策定が重要だと訴えました。

国の基本計画には

*「津波、高潮などの自然災害に対して、保安林の整備などのハード対策 を進める」こと、

*海岸林などの自然環境が有する防災・減災機能を評価し、自然環境の持つ「グリーン・インフラ」としての機能を活用した防災・減災対策を推進する」こと、

*「多様な学術的背景を備えた防災分野の専門家、研究者等の育成・確保等が重要である」

としています。

しかし、平塚市は保安林の整備どころか、樹林帯は伐採しても住民には影響がないとして、専門家の助言も無視して樹林帯を伐採しようとしています。

 国の国土強靭化基本計画では「災害は、それを迎え撃つ社会の在り方によって被害の状況が大きく異なる」と言っているのです。ところが、平塚市は、国の計画に沿って作成したといいながら、そこがバッサリと抜けているのです。

 平塚市は、市民の声を聞いて湘南海岸公園龍城ヶ丘ゾーンの整備を進めているとしていますが、「公園」にするためには樹林帯を伐採していいという判断は、市民の声ではなく平塚市が下したものです。本当に「市民の声」だというなら誰の声、どこから出た声なのか明らかにしてほしい。

これまでも、平塚市は住民や議会には「塩害は海からの距離で決まる」といって樹林帯の伐採による影響はないと説明してきましたが、ある論文の1行を抜粋したもので、その論文にはさらに、「海岸からの距離、地域特性、季節変動、年変動を把握し、周辺の既存調査結果と比較するなど慎重に検討することが望ましい」と書いてあり、市の都合のいい部分だけを抜粋したものだということがわかりました。

そして、議会でも再三「風害は事前のシミュレーションによって公園内と北側では変わらない」と言ってきたので、そのシミュレーションを情報公開請求したら真っ黒に塗られた紙が出てきただけ!

市にとっては、市民の安全を確保する重要な証拠であり、「見てくださいよ!あなた方は不安に思っているけど、こんなに安全なんですよ」と胸を張って出すべき資料です。それが見せられない!どこまで市民を愚弄するのでしょうか。

 多くの市民が賛成しているとして進めてきた龍城ヶ丘公園整備。しかし、これも「私の感じ方でしかない」と市長は明らかにしたのです。

国も危機感を持って進めている国土強靭化計画、今後いかなる災害が発生しようと市民の命と財産を守る強靭化計画を進めるといっているときに、平塚市の「大丈夫だ」は、まったく根拠がない楽観論でしかないということです。

今回、ようやく調査をするということになりました。今議会で期間は「6月まで調査」と答弁しました。

 しかし、市が「塩害は海からの距離」という言葉を根拠に使った論文には「「飛来塩分量を判定する指標とする方法」として、「飛来塩分量の測定は一般に月次で行い、一年以上継続する必要がある」と書いてあるのです。その論文を参考にしたなら、その論文に書いてあるように、ちゃんと1年以上調査すべきです。6か月というのは「市民の方々の声」を理由にしていますが、都合のいい所だけ「市民の声」を使うのではなく、調査は、しっかりと専門家の言をとるべきです。

 

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