9日は朝から「後で読もう」と取っておいた(*^^*)、しんぶん赤旗1月1日付けの「東アジアの平和構築へ 東南アジア3か国」訪問の記事を読んだ。
志位委員長始め5人の党代表団が昨年12月にインドネシア、ラオス、ベトナムの3か国を訪問してきた緊急報告で、紙面を5ページ使った長文だ。
東南アジア諸国連合(ASEAN)は、互いに粘り強い対話によって平和の共同体に変えてきたこと、そしてさらにASEANインド太平洋構想(AOIP)を採択して、東アジア全体を戦争の心配のない平和な地域にするために活動範囲を広げているという。
以前からASEANの平和外交のすばらしさ、そのために国同士の対話が年間1000回も行われているという話を聞いて、そんなにやれるのか?何を話しているんだろうと気になっていたのだ。
ところが、今回訪問して話を聞いたら1000回は10年前の話で、「いまでは、1500回以上」とインドネシアの外務大臣特別補佐官の言に驚いた。
「紛争の火種があるもとで、対話によって誤解や誤算を回避することができる」という。「対話の習慣」が重要であり、これを東アジアに広げてゆく、それがAOIPなんだという。
その牽引国であるインドネシアの人口は2億8000万人。その国が「どんな国も排除しない、包摂的な枠組みを追求するのがASEANだ。」というが、私は、今の日米関係や米韓などのように、国同士の力関係ってあるのではないかと思っていた。だから、共同体の中でとても小さく経済力も後発途上国のラオス(750万人)での懇談では、インドネシアが言うことと少々ニュアンスが違うのでは・・と思っていたのだ。
同じことを委員長も気になられたのかラオスの外務副大臣に聞いている。すると「ASEANは政治・経済・宗教など多様であり、人口も経済力も違う国々の共同体だが、平等と相互尊重の精神がある。重要課題では常に対話している。」と同じ言葉が出たということに、ジーンとして涙ぐんでしまった。こうした話し合いによって信頼しあう東南アジア友好協力条約批准(TAC)まで9年かかったという。インドネシア首脳部の懐の深さが伝わってきた。
ベトナムでは、これまでも友好関係を築いてきた党であり、率直な意見や質問もあり、AOIPの実現に日本はどういう協力ができるのかなど深い部分でのやり取りがあった。
インドネシアの元外相ハッサン氏の指摘(「北東アジア固有の困難の克服」として①日本は過去の歴史問題を解決していない②朝鮮半島の問題では依然としてくすぶり続けている③米中の対抗、戦略競争の強まり、この3点を上げている)は、北東アジアを平和な地域にしてゆくために解決すべき課題としてしっかり指摘したものであり、ベトナムでもそのことが率直に語られたことは、意義深く感じた。
日ごろニュースでも目立たない国々が、しっかり平和外交を重ね、戦争のない共同体を作っていることを多くの人に知ってほしい。世界がインドネシアの外交の基本を学ぶ年になってほしいと切に思う報告だった。
写真は昨日の富士山