現在、市庁舎建設工事がストップしています。これまで議事堂を解体し、市役所正面の駐車場として使用してきた敷地や芝生の部分も整地し、大きく育ったくすの木も残念ながら伐採され、着々と進むかのように思っていました。ところが、今年の1月下旬に、平塚市庁舎と平塚税務署の本体の建設工事を行うにあたり、汚染土壌の掘削を行う必要があり、地中の調査をした結果、市役所が出来る前の構造物とみられるコンクリート基礎などの大きな障害物があることがわかり、これまでの計画では施行困難であるということが発表されました。
上の写真は1月4日。くすの木を伐採し、根っこがまだ少し残っている。
同日の写真で、四角の場所は議事堂跡です。
この敷地は、もともと国のもので戦前は海軍火薬廠があったところと言われています。そのため、初っ端から土壌からは最大で基準値の22倍もある鉛が検出され、その除去作業を行わなければ工事ができません。土地の約50%も汚染されていて、拡散防止などに最善の注意を払って行なっている上に、またこの騒ぎです。
その後、工事を進めるためには、その地中の障害物をどう処理するか、どう避けられるかが検討され、その結果が決まったということで各議員会派に説明がありました。
具体的な施工方法は直径2mのCD機(ケーシング全旋回掘削機)と、それより一回り小さいBG機(自走式ケーシング全旋回掘削機)という丸い筒状のものを回転させながら地中に押し込み障害物を切削して、破砕した障害物を除去した後に改良土を埋めていく手法を採用するとのこと。その工事に係る予算の詳細はこれからということでしたが、3月議会までに出して、議決された後に実施していくといいます。
この遅れと余分な予算執行の責任はどこに!?
●地中構造物・・・①関東財務局では、平塚市にこの土地を売却したのは昭和38年。それから40年以上経過しているため、民法第724条により時効であるとのこと。
②東京国税局では(国の税務署も市庁舎に入るため)すでに地代として12月までに1回支払われており、この分についても出してもらう準備をしているとのこと。
●土壌汚染・・・国は鉛の出た原因は特定できないとして、責任はないという見解とのこと。2003年4月以降に同じ海軍火薬廠跡地の平塚警察署近く(当時の平塚合同庁舎建設予定地)の敷地から有毒ガスが入ったガラス瓶、土壌からは微量のマスタード(イペリット)やヒ素が検出されました。爆薬や火薬を製造していた兵器工場があった場所に大量の鉛が出てきたなら、その原因は戦時中の国策にあったことは当然ではないでしょうか。 納得いきません。