松本とし子

まつもと 敏こ
日本共産党平塚市議会議員
活動ファイル

雇用促進住宅に住む方々の不安

2006年2月25日

雇用促進住宅は、もともと炭鉱離職者の就労支援を目的に1965年(昭和40年)頃に国が設置した住宅です。現在は独立法人雇用・能力開発機構が運営し、公共職業安定所長が認める者が利用できる住宅です。運営管理は、機構から委託を受けた財団法人雇用振興協会が行っています。

現在、全国に1534宿舎、14万2002戸あり、約35万人が住んでいます。神奈川県にも13市町に22宿舎、119棟、3178戸あります。

政府は、5年前の特殊法人等の整理合理化計画で、「移転就職者用宿舎は現に入居者がいることを踏まえた早期廃止のための方策を検討し、できるだけ早期に廃止する」として、昨年12月22日には「平成18年度に結論」という閣議決定がされました。

雇用促進住宅のうち、全国で85棟2391戸が耐震性に問題があるため、補強せずに取り壊すことが決められ、H20年3月末(2年後)までに立ち去るように通知されています。この近燐では茅ヶ崎市にある住宅が対象となっていて、2年後の期限までに立ち退けば移転料として20万円支払うというものです。

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国策で作った住宅を、今度は国策で取り壊し、売り払うから出て行けというのはあまりにもひどい話です。

平塚市にも雇用促進住宅は3宿舎、下島住宅(昭和46年から運営)に65戸、下島第二住宅(昭和50年から運営)には150戸、大島住宅(昭和47年から運営)には103戸あり、そこには多くの方が生活しています。

ここは現在取り壊しの話はありませんが、安心できません。政府はこの雇用促進住宅そのものをなくそうとしているからです。

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30年間で全住宅を売却する方針で、地元自治体を中心に譲渡を打診してきましたが、平成17年度意向調査の結果、

すでに譲渡協議が整っているものは全国で1住宅、地方公共団体に譲り受けの意向があるもの93住宅、地方公共団体にその意向がなかったものが1391住宅、すでに廃止決定しているものは49住宅となっています。

国や機構は、30年間より早く譲渡・売却を行おうとしているため、今後、民間の不動産業者に売却しないとも限らず、その場合家賃はどうなるのか、そこに住めるのかという点でも不安です。

今、移転を通知されている人たちも、炭鉱が閉山となってやむなく国の勧めで移り住み、ようやく終の棲家と思っていたのに、こんな年齢になってから出て行く心配をすることになるなんて誰が想像したでしょうか。

機構は住民の意向を十分にくみつくすこと、敷地は国有地であり、国は機構まかせにせず、しっかりとした対応をすることが求められます。


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