今までにも何度かこのホームページに、さだまさしさんの歌を記してきました。
紅白歌合戦でさださんが「遥かなるクリスマス」を歌ったことで、いま平和への危機感を持っている方々から、共感の声が湧き出ています。
私も、やっと「時代がさだまさしに追いついた」という思いで喜んでいる一人です。さださんの歌の中には、生きることがへただけれどまじめに生きている人、好きだった子に別の好きな人ができて別れることになった時、「今は無理だけれど、もしも年老いたら君の愛した人を僕も愛せるそんな日が来るといいね」といえる温かさ、いつも人のぬくもりがあふれる詩に心が満たされます。
そして、戦争に対する静かでありながら、強い反対の意思表示がされています。
「ニッポニア・ニッポン(前夜)」「祈り」「広島の空」「フレディもしくは三教街」「神の恵み~A day of Providence~」「戦友会」「september moon」など戦争や平和を脅かす全てに警鐘を鳴らす歌がうたわれてきました。
その中でも、私が強烈に心に残った歌をご紹介したいと思います。
神の恵み~A day of providence~
ひとつ忘れてはいけないことは
僕たちは戦争に負けた国に生まれたってこと
どういう意味かは人によってすこしずつ違うけれど
この事実だけは 誰にも違わないってこと
魚雷艇に乗っていたハンサムな兵士が
戦勝国のリーダーになった頃のこと
「神の恵み」という名の戦艦が僕の町に来て
白い服を着た大きな人たちが町にあふれた
A Day of Providence 子供たちは船に群がり
親切な兵士たちに“give me”と 小声で悲しく歌ってた
A Day of Providence ポケットはチョコレートで膨らみ
ひきかえに 心は しぼんでいったよ 青い空だった
あの爆弾をこの町に落とした人が
今度は僕たちの国を護っていると聞かされて
僕にはどういう意味だか 呑み込めなかったんだ
そう、もう少し大人になるまでは
何故そうなったのかは判らないんだけれど
僕が大人になるにつれて この国はひどくなった
「わがまま」と「自由」との境目がどんどんぼやけてゆき
「おとな」が「こども」になり 「子供」が「大人」になった
国を語れば“left”からブーイング
平和を語れば“right”からクレーム
こんな風に僕の言葉は 怪しげに変わった行く
美しい言葉は この国の誇りだったのに
A Day of Providence 自由になったはずだった
親切な白人が“trust me”と 小声で優しく歌ってた
A Day of Providence 大人たちは誇りを失い
ひきかえにチョコレートを 神棚に飾った
これからの子供たちに伝えてゆこう
僕たちの間違いを繰り返さぬように
二度と戦わないという強い意志と共に
二度と魂を売り渡さない勇気を
これからの子供たちに伝えてゆこう
これからの大人たちに伝えてゆこう
間違いをただすために未来はあるのだと
未来こそが「神の恵み」そのものだということを
A Day of Providence この美しい季節の中で
本当の僕たちの笑顔を 作り直せばいい
A Day of Providence この美しい星に生まれて
いつの日か永遠の平和を君が手にするために
いつの日か永遠の笑顔を君が抱きしめるために