菅内閣は、今月13日から横浜で行われるAPEC首脳会議で、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)に参加する意向を表明しています。
工業製品でも農業製品でも、ほとんど例外なく関税をゼロにして貿易を自由化する枠組みに参加して、世界の経済戦略に打って出ようというわけです。
関税をなくせば、日本の車など工業系輸出産業にとってはありがたい話であり、だからこそ、経団連は政府にそれを強く求めているわけです。
残念ながら、いま私たち日本人の身体の6割は、外国の食糧で生きています。こうした自由貿易が始まってしまったら、外国の農産物・畜産物が一気に流入し、日本の農業は壊滅してしまいます。外国は、自国の食糧事情が悪くなれば、輸出をいつでも止めることができます。そうした時、日本国民は何を食べて生きていくのでしょう!
農林水産省の試算で、現在40%まで落ち込んでいる食料自給率はさらに14%まで落ち込むとしたうえで、次々と農・畜産物への影響額も示しています。
民主党政府は、この試算の出し方について批判する前に、TPP参加は、自らの農業マニフェストに沿っているかをまず国民に示すべきです。
「自国の食糧は自国で賄う」これが基本です。
10月に行われた「農業シンポ」では、「今の農政を継続するだけでは衰退の一途である。農業を国の最重要課題として位置づけ、早急に自給力を強化し、次世代に継承する必要がある。」と提言しています。
10日、日比谷野外音楽堂で、TPP交渉に反対する「緊急全国集会」が開かれる
TPPへの参加は、日本の食糧・農業を守れという国民の強い怒りとなり、JAグループは、各地で緊急集会を計画しています。1日には長野県松本市で行い、8日にはJA山形中央会が決起集会。10日には、全国農業協同組合中央会や全国漁業協同組合連合会などが緊急の全国集会を開き、国会まで請願デモをおこなうといいます。
民主党政権は、10年後までに国内自給率50%を目指すとしたマニフェストをしっかり政策で具体化し、推進することを求めます。TPP参加は、農業をバッサリ切り捨てることにほかなりません。
企業献金廃止の方向性も一気に覆し、再開する。こうした民主党の「国民に自ら約束したことを平気で覆す」態度は、党としての綱領を持たない「寄り合い政党」の限界であり、これ以上民主党に日本を任せてはおけない。いま、このことを強く感じるとともに、非常に危機感を持っています。
平塚に広がる肥沃な農地