千代田区役所は、昨年5月に国の機関(国土交通省など)とPFI方式によって建設され、1階から10階までが区役所、11階から23階までが国の機関となっています。
平塚市の新庁舎建設検討委員会では、平塚市の市庁舎にも国の機関が入る計画になっており、市役所と国の機関との棲み分け、人の動線などをどうするかということが議論されてきました。
そこで10月31日、市の担当部長はじめ職員と、希望する議員とで「千代田区役所」を見てきました。
このエレベーターは2階から10階までの区役所に行く専門のもの。
こちらは、国の機関が入っている11階以上に行くエレベーターです。区役所には気軽に入れる一方、国の機関に行くエレベーターの前にはガードマンがいて、重々しい感じです。そこに入っている機関や、会議の性質上そうせざるを得ないのでしょう。
1階のエントランスには障がい者が販売している「パンショップ」があり、そこで買ったパンを食べたり、読書をしたり、人を待ったりできる広いフリースペース(多目的ホール)があります。ここを区切れば講演会や演奏会などのイベントにも使えるといいます。
役所の壁のあちこちに「議員の在室表」があるのに気付きました。やはり、区民がいかに頼りにしているかがこうした所でわかります。
そして、何よりすごいと思ったことは、区の窓口に行くとそこには1台ずつパソコンが配置され、区民の用件の書類を引き出したり、説明が必要な場合は、電話ですぐその窓口に来てもらうというように、区民が動かず、職員がそこに来るというシステムになっていることでした。
人口4万6000人、しかし、昼間の人口は85万人になるという千代田区。職員1000人といいます。
窓口の前には市民サービスの部署がー。壁を隔てた向こうのフロアには、必要とあればすぐ参じる部署が配置されているといいます。しかし、この日は広い区民窓口はとても静かでした。
図書館も入っていて、そこは夜10時まで開いているとのこと。日中も図書館には多くの人が利用していました。障がい者の方々のパンショップも人気で、夜7時まで営業とのこと。
さて、今回の目的である国の機関と市庁舎の棲み分けという点を見ると、1階からエレベーターが分かれているというのは、混雑解消にも、棲み分けという点でもいいと思います。
しかし、区のエレベーターは10階以上は行かず、あとから国の機関に行くには乗り継ぎにとても時間がかかることは、職員の労働面からも、区民にとっても時間的ロスは大である。
平塚市が行う場合、国と市の建物を別々に建て、1階のエントランスだけ共有にするという場合でも、途中の階には連絡通路が必要だと思います。
エレベーターで千代田区のように分ける場合でも、まず乗り継ぎをスムースにすることが求められます。そして、平塚市では国の機関と言っても非常に市民に密着した「税務署」「ハローワーク」「労基署」であることからも、途中の階に連絡通路を設け、適正な職員を配置して市民がどちらにも行き来できるようにすることが必要と思いました。
市民が不便なことは職員も不便なはず。逆もしかり。時間のロスは充分考慮して最小にしていただきたいものです。