平塚市の真田・北金目特定土地区画整理事業は、面積68.7ヘクタールの土地を区画整理することで、良好な住宅市街地を形成することを目的として計画されました。
その地域は、昭和54年3月に市街化区域に編入、第一種住居専用地域に用途指定、土地区画整理促進区域として都市計画決定され、住宅・都市整備公団によって事業が展開されてきました。
当初計画では、施行期間平成6~18年度までの13年間、総事業費277億 1,600万円、市費総支出額は74億 8,300万円とされていました。
しかし、事業着手は遅れ平成10年3月となり、進捗状況は平成19年度までで7割。総事業費はすでに502億9,100万円にもなっています。市の負担総額は54億1,500万円(その他、事業開始前の費用額6,068万6,000円)。
平塚市は、「まちづくり総合支援事業」を受け、市の負担を軽減させたとしています。たしかに、これによって国から17億円が出ましたが、事業はまだ終わったわけではありません。今後どれだけ負担することになるのかわからない状況です。
本来、土地区画整理法118条(費用の負担)では、「土地区画整理事業に要する費用は、施行者が負担する」となっており、施行者である「住宅・都市整備公団」が払うべきお金です。ところが、この計画は当初、市は「組合施行」で進めるはずだったのができずに、公団に事業費の相当分を負担することを条件に依頼した経過があり、このような負担が出ているのです。
この事業は、減歩率や清算金など住民の方々は大変な思いをしてここまで耐え、頑張ってきたのです。しかし、このまちづくりに市は54億円以上出したけれど、実際に目に見えるものは、道路費用2億5千万円、公園費用2億円の計4億5千万円だけ。
「平塚市の西の玄関口」と言うキャッチフレーズで始まった「まちづくり」。まちができれば当然、公的な施設もできると思っていた住民たち。これだけの巨額の市費が投入されていても、長い間要望していた「西の地域にも図書館を」という願いもこの段階になっても計画はありません。約55億円の使い方はどうだったのかをみんなで検証すべき時が来ています。
国は、お金がないからと国民に対する福祉をどんどん切り捨てておきながら、大開発や企業誘致となるととたんに元気にお金を出し、県・市に応分の負担を出させるというのが常套手段です。
諸先輩の共産党市議団は、そうした大企業奉仕、国、県言いなりになって市民に負担を押し付けるのではなく、地方自治体の本旨に基づき、市民のための市政をすべきだと主張しこうした事業には反対をして来ました。
福祉はさらに削られ、「後期高齢者医療制度」をはじめ、今生きている人の命も生活も軽んじられている時に、今後もさらに「まちづくり」で巨額の費用をつぎ込んでいいのか、事態が遅れないうちに市民の真の声を出していく時ではないでしょうか。
平塚市役所南棟の駐車場側の「くすのき」も新緑で美しい。