9月議会と決算特別委員会の開催中にはなかなかブログの書き込みができず、ご無沙汰でした。そんな中でしたが、ある地域の行事に参加した時のこと。お茶と和菓子をいただきながらしばらくの懇談となりました。そのときの話がとても心に残っています。
それは「私も戦争経験者。今、北朝鮮の問題で政府をはじめマスコミは、『北朝鮮は危険な国だ。何か制裁を加えないと。』と国民を煽っている。これがとてもあの頃に似ている。当時私が中学校の受験に行くときに、小学校の担任の先生が「暴支膺懲(ぼうし ようちょう)」「八紘一宇(はっこういちう)」という言葉を覚えておけば合格する。それだけ覚えて行け、といった。小学生だから、なんのことか、どういう字を書くのかもわからなかったが、その言葉を何度も繰り返し覚えていった。
当時は受験といっても、そんなに厳しい試験ではなかったが、面接のときに試験官が「今、日本が戦争をしている理由を言ってください。」というので「暴支膺懲、八紘一宇」と、覚えた言葉を言ったら、合格した。」
その話を聞いて私は「それはどういう意味だったんですか?」と聞くと、「暴支膺懲とは、暴れる支那(中国)を懲らしめる」「八紘一宇とは、世界は八方に広がっているが、家族のように1つにまとまらなくてはならない。」という意味で、そういって中国に軍隊を突入させ、東南アジアに侵略することを正当化したんだというのです。
八紘一宇は、2年ほどまえの国会で自民党の三原じゅん子議員がこの言葉を使って、大問題になったことで覚えていましたが、当時は子どもにもこういう論調で戦争への道を納得させていったことを、改めて知りました。河野太郎外務大臣は、外国を回り「北朝鮮への制裁」を強調していますが、父である河野洋平氏は「制裁や圧力じゃない。目的は北東アジアの非核化と安定だ。話合いが重要であり、日中韓はしっかりまとまっていかなくてはならない。」と批判しています。今の政府の動きを、マスコミや政府のうまい誘導で判断するのではなく、じっくり冷静に判断しないと、「あの時」が繰り返されてしまうと強く感じた一件でした。
※すっかり秋めいてきましたね。