松本とし子

まつもと 敏こ
日本共産党平塚市議会議員
活動ファイル • 議会の取り組み

12月議会初日、2019年度決算に反対しました。

2020年11月28日

IMG_311211

25日、12月市議会定例会が開会しました。初日に2019年度決算の認定が審議され、共産党市議団は反対の立場から討論しました。

賛成20、反対2、退席2(議長、欠席者除く)。その一部をご報告いたします。

●消費税10%に対する国民の反発をかわすため非課税世帯と3歳未満の子育て世帯にプレミアム商品券が発行されました。しかし、この事業は「生活が苦しい方」を対象としながら、2万円出さなければ5千円分のプレミアムが受けられないというひどい内容です。決算特別委員会では結局、対象となる4万3592人のうち1万6873人、率にして38.7%の人しか利用しなかったことがわかりました。

対象者にじかに5千円を渡せば喜ばれたものを、1冊5000円の商品券を4000円で売るというやり方のために4割弱の人しか利用しなかった(買えなかった)上に、平塚市は、7701万円のプレミアム分を支給するために1億3300万余円もの委託料を支払ったのです。

16万5千冊の商品券が用意されましたが、買われたのは7万7260冊。半分以上の商品券がごみと化しました。しかも3月31日までに使われなかった商品券が96万7600円分もあったといいます。

これは国の策とはいえ、「消費税増税に苦しむ人のため」を口実に、企業にお金を回す手段であったとしか言えない愚策であり、こうした税の使い方はあってはならないことです。

●受益者負担の適正化の強化による「公共施設の駐車場有料化」には、根強い批判の声が上がっています。令和元年度、市役所周辺駐車場を利用した人が、タイムズに支払った料金は3,957万8,710円。タイムズが平塚市に支払った年間使用料は324万円です。総合公園駐車場の料金徴収額は5,847万4,630円。タイムズが平塚市に支払った額は152万7,180円です。つまり、昨年度1年間で市民がタイムズに支払った額は約1億円にもかかわらず、平塚市に支払う使用料は476万円と、市民から徴収した5%にも満たない額というのが実態です。

公共施設の駐車場有料化は、市民の税金でつくった施設を、企業には破格の値段で場所を提供し、そこを利用する市民からは料金を徴収するというもので、市民の積極的な文化・芸術活動や生涯教育、ボランティア活動にも支障をきたしています。しかも、タイムズは機械を置いて遠隔操作しているだけで、駐車場を利用する市民の安全を常に管理しているのは、駐車場に配備された警備員の方々であり、市が別途に委託している事業者です。

1企業においしい所だけを丸投げする平塚市の駐車場有料化は、手法としても、市民感情としても納得いくものではありません。早急に見直すことを求めます。

●官から民への動きでは、Park-PFI手法による湘南海岸公園龍城ヶ丘ゾーン整備・管理運営事業は、選定委員会によって事業者が決定しました。

そもそもPFI事業は、全国で問題が発生しており、実際に導入した事例を見ると、参入企業はどこも大手です。具体的な企画や設計、運営は民間事業者に任せるため、過大な見積りと高負担が特徴です。計画手法でも、Park-PFI はPFIと異なりSPCの設立は要件になく、事業運営がうまくいかなければ経営困難・破綻・撤退も考えられます。

平塚市が進めるこの事業も、大手の積水ハウス(株)を代表とするグループに決まりました。年間76万人という膨大な集客を見込み、120台もの駐車場の確保のために、40年間かけて飛砂や塩害から住民生活を守ってきた樹林帯を住民の反対を押し切って伐採するというものです。

最初は3万㎡の規模を20年間任せる契約で、10億円の整備費と2億円の管理運営費でした。しかし仕切り直しをして次に出された計画は、2万4千㎡に縮小しても整備費は10億円で、事業者への管理運営費は6億円に引き上げられました。企業が管理運営しやすいように4億円も引き上げ、税金を納める住民の切なる声は無視して進めようとしているのがこの事業です。議会では、「事業者が決まったら、しかるべき時期に飛砂の実地測定の資料を出す」としながら、全く示されていません。

これまでの平塚市が行う事業では、龍城ケ丘プール跡地の利用に関して、「周辺の住居環境を考慮すると、大がかりな施設の設置は難しいと考えています」としてきました。ところが、Park―PFIでやるとなったら、樹林帯の伐採さえも正当化し責任は企業に任せるという、住民の安心安全を確保すべき行政責任の放棄にほかなりません。

住民のためのまちづくりとは乖離した開発であることは明らかであり、認めることは出来ません。

令和元年度は、国の官から民への強力な動きの中で進められてきた1年だったといえると思います。こうした下で、平塚市は湘南海岸公園整備では、住民不在の開発を強行しようとしています。

市長は、1期目の公約に「中学校給食の実施」を掲げました。しかし、10年たっても実施されていません。また、大神地域への医療施設誘致は平塚市と住民との約束です。しかし、これも実行されていません。

そんな中で、市長の公約にもなく、住民の合意さえ得られていない龍城ケ丘プール跡地の整備を早急に実施するなど、決して許されるものではありません。

行政の仕事は「住民の福祉の向上」にあります。市民の生活をどう守っていくかが自治体の役割であり、それができるのが市長です。住民の生活を第一に考え、将来に禍根を残さないまちづくりを強く求めます。

以上を申し述べ、認第1号「決算の認定について〔令和元年度平塚市一般会計・特別会計決算〕」について反対の討論といたします。


新着記事

  • 過去の記事

  • しんぶん赤旗の申し込みはこちら
  • JCPWEB.JPは、日本共産党の議員・候補者・議員団・地方組織のサイト制作・管理・サポートをしています。ホームページ開設・リニューアル、ブログ制作・運営サポートなど、お気軽にお問い合わせください。

リンク

PAGE TOP