このたび、平塚市在住の加藤桝治さんから戦後の「レッド・パージ」で仕事や生活を奪われた方々の名誉回復と賠償を求める運動の報告が寄せられました。
私の周りにも、戦後、レッド・パージで教職を追われたり、会社を追われ、警察に尾行され苦しんだ方が何人か居られます。今はもう、亡くなられた方、または80代後半という年齢になられた方々です。こうした異常なまでの人権侵害が行なわれていたという事実が、運動を引き継ぐ人がいなかったら忘れ去られていくということを、加藤さんの投稿で改めて感じました。
(豊田本郷の県道沿いのツツジは、乾燥土のため木の根っこから枯れてゆくものが多くなり、どの枝も貧相なのですが・・・。春先に肥料をやったおかげか、貧相ながらも人一倍頑張って咲いてくれました。)
目標の8000筆を超えた国会請願行動
加藤 桝治
今年も、「レッド・パージの名誉回復と国家賠償を求める」請願行動が5月27日におこなわれました。神奈川から8,234筆、各地の署名併せて20,512筆の署名を国会に提出しました。
神奈川県レッド・パージ反対同盟は、4年前から請願署名の目標を8,000筆にしてきましたが、4年目にして目標を突破することができました。
わたしたちは、今年『レッド・パージ反対同盟をめぐる15問15答』というパンフレットを発行しました。これは、「60年後の今、名誉回復を求めるのはなぜ」にはじまってレッド・パージに対するさまざまな質問を設定、「解決の見通しがあるのか」などに答えたものです。「戦後最大の人権侵害事件」といわれながら、内容を知らない人が多いので、解明しようと編集されたものです。
読んでくださった方から「昔のことかと思っていたが現在につながっていることを知った」「身近な問題として理解できた」という感想をいただきました。
レッド・パージ被害者も高齢になり、身体の障害を訴える人も多くなり、亡くなった方もいて、請願署名集めも困難になりました。そうした中でも、地域の団体を訪問し、集まりがあればそこで訴え署名を広げてきました。
また、「歳の功」で人生の長い付き合いの友人たちに、何人もの人が手紙で訴え、県内にとどまらず、全国の各地から署名が送られてきました。県外各地の運動になる手助けにもなっています。
被害者の運動を支えているのは、被害者以外の同盟員と協力者で、この人たちがレッド・パージ反対運動の引継ぎ者として活動していることです。横浜でも川崎でも、メーデー会場で署名集めの主力となって行動してくれたのは、パージを経験しない日本鋼管の定年退職者の同盟員たちでした。
団体の取組みも進んでいます。今年も60程の地域組織が取り組んでくれました。人権を守る熱い絆を感じました。
平塚で働いていた同盟員が居住地の東京で、地域の新聞にレッド・パージ問題を3回にわたって連載しました。その関係で、小池晃さんが勤務していた診療所や、土建組合が組合員に訴え、1,300筆ちかくも集めてくれました。これからの運動の発展に展望を持つことができました。
兵庫の3人の被害者が国家賠償を求めた裁判で最高裁は、実質審理をすることなく上告を棄却する不当な決定を出しました。怒りを持って抗議するとともに、名誉回復と国家賠償実現のためさらに努力してまいります。 (2013年6月号)
★『15問15答』ご希望の方は、加藤まで・℡0463‐58‐3794
1部300円・送料別