先日「おおぞら保育園」の卒園式に出席させていただき、「斎藤公子先生」という素晴らしい保育論者のことをお聞きしたばかり。その斎藤先生が16日にお亡くなりになったと知りました。
先生は、「裸足で遊ぶことは脳を活性化させ、人間の持っている感性を豊かにし、人間の生きる土台をつくる」ことを説き、実践してこられた人です。
「子供とは、大人が何かを教え込む存在ではない。体を使って遊ぶことで、初めて自分の意思が生まれる。自主性を尊重しなければ子供は開花しない。土台がない所に、何も積み上げることはできない。勉強よりも、良い絵本読み聞かせ、正義感あふれる、感受性豊かな子供にする方が大事」と。
子供の頃に、正義とは何か、真理とは何か、人とはどうあるべきかを教えること。そうすれば、おのずと子供は自分の道を見つけて、自分の力と意思で、歩み始める。自然に、技術(勉強)は伸びて行くのだと論じ、実践する中で、多くの人々の共感を呼んでいます。
「ああしなさい」「こうしなさい」「そんなことしちゃダメよ」ではなく、自分の体で会得すれば必然的に次の時にはどうしたらいいのか自分で考えるというのです。
少子化で、一人の子に注がれる目が多い昨今、特にこうした保育論が大事だと思います。
こんな時代を憂い、もっと広げたいと感じながら逝かれたことと思うと、私たち一人一人が受け継いでいかなくてはいけないと痛感しています。
謹んでお悔やみ申しあげますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。