27日朝のNHK総合テレビ「週刊ニュース深読み」で、なぜ、今安倍総理大臣は憲法を変えようとしているのか、その狙いは何か、について議論していました。
安倍総理大臣は「外国は何回も変えている」「日本の憲法は変えにくい」と言っている。
「果たしてそうか?」ーーー
確かに、いくつかの国を例にとっていましたが、憲法を何度も変えています。しかし、これらの国は、EUやドイツのように統合したり、州が増えたりしたことにより、変えなくてはならない部分が出てきた。また、「死刑の禁止」や、その国によっては国会議員の定数も憲法で定められていて、それを改定するために憲法を変えることになるなど、それぞれに正統な理由があったのです。
また、「日本の憲法は変えにくい」ということは全くない。もっと他国は厳しいという事がわかりました。日本が60数年間憲法を変えなかったのは、変えざるを得ない事由もなければ、問題もなかったからであり、今、特に憲法の何を変えるべきかということが議論されず、ただ「変えやすくするために96条を改定しよう」・・・これ自体が怖い事なんだということを、伊藤真弁護士が語っていました。
自民党の改正草案での「国防軍を保持する」は、軍隊として相手国に攻めて行くことが出来るとするもので、徴兵制の議論も当然含まれてくるだろう。
「(国民は)公益及び公の秩序に反してはならない」の「公益」とは何か。時の政府が「公益」「公」と言えば、良い悪いに関わらず、それに逆らうことは「憲法違反」となってしまう。
「家族は互いに助け合わなければならない」など、当然のことで憲法に入れなくてはならない問題ではない。
「96条の改定」は、憲法を変えやすくハードルを低くするもので、時の政治に左右される非常に危険な事なんだということがよくわかるものでした。
「憲法」は、政府の持ちモノではなく、国民のものです。憲法を変える場合、あいまいな言葉でなく、「なぜ変えるのか」「何が不都合なのか」「どの条項か」を明らかにし、変えることで今までと何が違ってくるのかをはっきりさせ、国民的議論を促してゆくのが当然だと思います。
「憲法」は時代に合わせるものではなく、時の権力や政策を憲法に照らし、逸(そ)れていたら正していく「規範」だということが大原則です。
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