昨日(5月3日)は、ラスカホールで龍城ケ丘プール跡地整備計画「樹林帯を守ろう」講演会・パネルディスカッションが行われました。主催者挨拶のあと、基調講演には元千葉県森林研究センター長の竹内進氏、パネルディスカッションには元神奈川県森林研究所研究部長の鈴木清氏、竹内氏、地元の元自治会長田中さん、海街フェスの代表有川さんがパネリストで登壇され、様々な意見を聞くことができました。
主催者からはこれまでの運動の経過が報告されました。そして横浜国大名誉教授藤原一繪先生がかつてこの平塚海岸で実際にクロマツと広葉樹の混栽によって樹林帯を育て上げてきたこと。海岸の砂地には大きく育った木を植えても根付かないと語っておられることが報告されました。
事業者が公表している公園整備のポンチ絵には、緑豊かな公園が描かれています。地元住民が事業者に「ここに描かれている絵はいつの時点のものか」と問うと、「20年後の姿だ」と語ったというのです。20年後はParkーPFI事業者との契約が終わる年であり、ポンチ絵からして市民を愚弄するものといわなくてはなりません。
今回講演された千葉県と神奈川県の両森林研究者が「公園ができたと同時にこんなに木が茂っているとしたら、どうしたらそんなに育つのか逆に教えてほしいものだ」と笑う場面もありました。
竹内氏から11年前の3・11の時に千葉で起こった津波と樹林帯が果たす減災効果についてご講演。
基調講演の後、主催者「豊かな海と暮らす平塚市民の会」からこれまでの活動の報告。
また、この樹林帯の育ての親である藤原一繪教授が現地を訪れ、これまで研究してきた見地からの助言・メッセージが披露されました。
休憩をはさみ、パネルディスカッションに。
元県の森林研究所部長が1977年から1980年の4年間かけて行った飛砂の実態が報告されました。鈴木氏は、自然の実態を調べるにはその時々の特有の自然現象があり、僅か1年では結果は出せない。として、4年間の測量の変化を表で示されました。
地元元自治会長は、自治会では毎年津波避難を最優先に訓練してきた。プール跡地の樹林のない部分(無防備地帯)を懸念してきたが、今度は樹林帯まで切ってしまうという。そうなれば龍城ケ丘、虹ケ浜、袖ヶ浜にまでが無防備地帯となる。住民は毎日ビクビクしている。市は住民の声を聞かず、こういうことを進めるなど暴挙であると非難しました。
会場には多くの方が参加され、予定の時間をはるかに越えましたが、「樹林帯伐採反対、公園整備はプール跡地だけにして」という思いは一致しており、参加者一同、県と市に意見書を出すことが決まりました。