若い女性が、ひょんな車の操作ミスで塀に激突。その時はなんでもなかったが、ある日突然ひどいめまい、頭痛、低血圧・・・。さまざまな症状が出て起き上がることもできずに苦しみ続けました。脳脊髄液減少症と診断され、ブラッド・パッチを3回受けました。しかし、一向に良くならず、毎日部屋で寝たり起きたり、だから食欲も出ない・・その繰り返しだった8年程前に相談をいただきました。
今でも病院によっては病気として認めてくれないところもあり、確固たる治療法もまだ確立されていないようです。当時、「それなら、起きることから始めよう!」それが彼女にとってどれだけ辛いことか・・わかっていました。が、「まず体力をつける」ことに徹しました。朝起き上がると同時にめまい、手足のしびれ、全身のだるさ・・、言いようのない苦しみが襲ってくる病気。
たいていの母親は、その辛さを見て「寝ていたら?」というでしょう。でも、何年で良くなるという保証もない。若い彼女だからこそ、「辛いから寝ている」ではなく、症状を少しでも打ち消せる体力をつけてほしかった。母親がいない彼女は、むごい私の提案を受けてくれ、薬による治療とともに、冬も暑い夏の朝も頑張って起きて、総合公園まで歩く日課を続けてくれ、とうとう仕事に就き、そして結婚し、赤ちゃんが生まれました。
「赤ちゃんを産む力」すらついたことは、本当に言いようのない感動でした。
(暑さの中、総合公園では咲き遅れたバラが静かに咲いていました)
しかし、順風漫歩ではありません。時々苦しい症状に襲われ、電話がかかってきます。しかし、結婚して引っ越したため、この病気を理解してくれる病院がないことが、今の彼女を二重に苦しめています。
早く、どこでも病気として診てくれる医療体制を強く望みます。
(総合公園のたくましい「スダジイ」の木)